わたしの水彩スケッチと読書の旅

どこまでも、のんびり思索の旅です

江戸川の 矢切の渡し 春まぢか  (東京都葛飾区 矢切の渡し 水彩スケッチ)

20132

 


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柴又帝釈天から東へ10分ほど歩くと、江戸川の土手に出ます。この土手をゆるやかに下ると、川のほとりに、あの有名な「矢切の渡し」があります。この土手一帯は矢切の渡し公園になっていて散歩やジョギングをする人が時々通り過ぎていきます。江戸川の対岸は千葉県で、川のすぐ向こうに野菊の墓文学碑があるそうです。伊藤左千夫の「野菊の墓」は若い頃読みました。悲しい恋の話だったような記憶があります。もうあれから40年以上が過ぎて、悲しい恋の話を読み返す年齢でもなくなりました。



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 せっかく矢切の渡しに来たので、ここで記念のスケッチです。早春の江戸川もきれいですし、人もいないので落ち着いてスケッチできます。ふと見ると、向こうにひとり座ってスケッチをしている人がいます。嬉しくなって、そこまで行って声をかけました。

「スケッチなさってるんですか? 私もスケッチに来たんですよ」

「ああ、そうですか。川が描きたくてねえ。でもうまく描けないなあ。いつもここに来ておられる人ですか?」

「いえ、初めて来ました」

「いつもここに来て描いている人がいるんですよ。それにしても、今日は天気予報と違って冷えるね。筆を持つ手が冷たいね」

「太陽は明るいんですけどねえ」

「本当、これからはスケッチにはいい季節がくるよね」



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私もスケッチのお仲間さんがいることに勇気づけられて、矢切の渡しを背景にしてスケッチ開始です。「矢切の渡し」と書かれたくいが何となく自然に立っていて、しかも舟の着くところは、丸太と竹を組んだような足場に簡単な板を23枚無造作に敷いたようなつくりで、なかなか風情があります。江戸時代の雰囲気をわざわざ出しているのでしょう。これでモーターボートなんかが現れたらずっこけてしまうのですが、さあ実際はどうでしょう。渡し舟は土日しかやっていないようで、今日は舟がどこにも見当たりません。昔ながらの竿で舟を動かしているのなら、拍手ですね。

 

川向こうの土手は少しづつ黄緑色に染まって、春が近いことを知らせています。土手には何の木でしょうか、大きな木がきれいに植えられています。中には桜の木もあることでしょう。春が来ると、この辺りはきっとすばらしくきれいでしょうね。