若者の 祈る姿に ありがとう (広島県広島市 平和記念公園原爆ドーム 水彩スケッチ)
2013年2月
広島平和記念公園に来ました。バススケッチで原爆ドームを描くツアーがあり、それに参加しました。広島平和記念公園は、私にとっては心の聖地で、是非ともスケッチしたかった場所です。
広島市というと、やはり原爆のイメージが強くあります。1945年(昭和20年)8月6日朝、原子爆弾が米軍機により広島に投下され、その日に亡くなった多くの人々に加えて、それ以降多くの市民が亡くなり、その年だけでも約15万人の市民が犠牲になったと言われています。広島は日本人にとっては決して忘れられない場所です。そして、若い人にも是非一度は広島を訪れて、戦争の悲惨さ、無意味さを肌で感じて欲しいと思います。
スケッチは平和記念公園の元安川の河畔から原爆ドームを望む位置で始めました。ここは原爆ドームの全景をとらえることができる絶好の場所です。天気予報では低温注意報も発令されるなどして、今日は厳しい寒さを予想してきましたが、風はなく、しかも意外と太陽が暖かく、かなり良いコンディションでした。スケッチ時間はたっぷり3時間半もあったのですが、下書きに手間取りました。原爆ドームを描くのはやはり緊張します。世界遺産なので一所懸命描きたいという気持ちとともに、何かいい加減に描けないような神聖な気持ちにさせられるからかもしれません。スケッチをしながら、ただ単に建物の形を追うのではなく、描いているうちに、戦争という負の歴史の重みを何となく感じていました。今日は、きれいに描けた、とか、うまく描けた、とかいうことではなく、描くことで平和の尊さが再認識できたことが大事だったような気がします。
スケッチが終わり、原爆の子の像の前を通りかかると、若い人たちが列を作って並び、順番に鐘を鳴らして手を合わせていました。私も彼らとともに列に並び、鐘を鳴らして手を合わせました。原爆死没者慰霊碑の前でも沢山の若者が手を合わせていました。外国の若者も沢山います。ここは平和を愛する人々の聖地なのです。
若い人たちが続々と訪れる平和公園。もう絶対戦争をしてはいけないという決意が、「過ちは二度と繰り返しませんから」という慰霊碑の言葉にも示されています。
ふるさとの街焼かれ 身よりの骨埋めし焼土(やけつち)に
今は白い花咲く ああ許すまじ原爆を
三度(みたび)許すまじ原爆を われらの街に