知多半島 やきもの散歩 土管(どかん)坂 (愛知県常滑市 やきもの散歩道 水彩スケッチ)
2012年10月
焼き物の町、常滑(とこなめ)市にやってきました。名古屋から名鉄空港線で終点の中部国際空港駅の二つ手前、常滑駅で下車します。よその土地の人がここに来ると常滑という漢字を「とこなめ」とは、とっさには読めないかもしれませんね。慣れないとちょっと読みづらい地名ですが、また、一度聞くと忘れられない響きをもつ地名でもあります。ここは1,000年続く有名な焼き物の産地です。駅の観光案内で地図を頂き、駅から500メートルの距離にある散歩道について丁寧なガイドを受けたのち、いざ出発。途中の道は、「とこなめ招き猫通り」と名付けられ、道路横の法(のり)面に様々な招き猫の作品が埋め込まれていて、訪れる人を楽しませてくれます。常滑は日本一の招き猫の生産地で、日本全国の招き猫の8割をここで作っているのだそうです。
このコースの素晴らしいのは、道標に番号がついていて、そのまま番号をたどれば、安心してコースを回れることです。そしてさらに素晴らしいのは、散歩道が変化に富んでいて、飽きないことです。次々に工房が現れます。それらに引っかかっているとスケッチが出来ないので、工房に入りたい気持ちを抑えてひたすら小道を歩きます。途中、土管坂(どかんざか)なる場所も現れて、そのユニークさに思わず笑ってしまいました。あちこちに窯があり、煙突が立ち、まさにスケッチにもってこいの場所です。そして、私の旅では珍しく同業者、つまりスケッチをする人、に4人も出会いました。やはり、そういう人に出会うとつい声をかけてしまいますね。
コースを半分回ったあたりにある登り窯は10本の煙突が並んでいて、やはり迫力がありましたね。またそこから少し歩いて、煙突と工房がちょうどいい具合に画面に入りそうな場所を見つけて、スケッチを開始しました。赤レンガの煙突には赤いツタがからみついていたのですが、ツタは面倒なので画面の上では省略。午後の日差しで、やや影が深くなった煙突と近くの建物とを描きました。