わたしの水彩スケッチと読書の旅

どこまでも、のんびり思索の旅です

寒卵(かんたまご)

2023年3月1日

 

「思い出せぬ人の名ありて寒卵」

 

俳句ポスト365の兼題「寒卵」で初級入選しました。俳句を始めるまで「寒卵」という言葉を知りませんでした。冬の季語です。『新版今はじめる人のための俳句歳時記』(角川ソフイア文庫)で「寒卵」を見てみました。

 

「卵は四季を通じてあるのに寒卵のみが季語として定着しているのは、寒中の卵がほかの季節のものより格別に滋養があるといわれているからである。」

 

「寒卵」を季語にした句を一つ。

 

「寒卵二つ置きたり相寄らず」    細見綾子

 

何とも言えない精神世界を表現しているようなそんな句に思えます。机の上に卵が二つ並んで置かれている。ゴロンと転んでぶつかりそうな気もするが何も外から力を加えなければ全くそんな気配はなくじっとしている。ただそれだけの状況の描写なのですが、そこから派生していろいろな思考がひろがりそうです。

 

 

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