立春
2023年2月4日
「立春やふくらむつぼみ風にゆれ」
今日は立春。暦の上では今日から春。従って俳句歳時記も今日から春の部。季語は「立春」です。『新版今はじめる人のための俳句歳時記』(角川ソフイア文庫)で「立春」を見てみました。
「一年の最初の二十四節気の節に当たり、春の気の立つ日というが、この頃は実際は一年で一番寒い。これ以上寒くはならない、寒さが極まって春の気が兆すという中国古代の思想に基づいている。」
「立春」を季語にした句を一つ。
「立春や菓子のうす紙はかなくて」 村沢夏風
立春にお菓子を頂いているようです。その菓子は多分和菓子。薄い紙が上に乗せられています。和菓子の繊細な形をくずさないようにそっとその薄紙を取る。作者はそこに何かはかなさを感じます。この句は立春という季語が生きています。春が来たといってもまだまだ寒さが厳しく、日中ふと感じる暖かさもはかない。そういう季節感が和菓子の薄紙と呼応しています。