わたしの水彩スケッチと読書の旅

どこまでも、のんびり思索の旅です

冬薔薇(ふゆばら)

2022年11月28日

 

「冬薔薇や喪中はがきの届く午後」

 

今日の季語は「冬薔薇」。師走が近づいて、郵便ポストに喪中欠礼はがきが届くようになりました。宛名面を見て、誰からの喪中はがきなのかどきどきしながら裏返します。これまで年賀状を交換していた親しい友人、学生時代の先輩、後輩、一緒に仕事をした人の訃報はこたえます。

 

今日の季語は「冬薔薇」。

『今はじめる人のための俳句歳時記』(角川ソフィア文庫)で「冬薔薇」を見てみました。

 

「薔薇は四季咲きのものが多く、冬になってもしばらく咲き続けている。霜に遭って赤い花びらが黒ずんだりするのは哀れだが、寒さに耐える姿がけなげである。温室栽培の切り花も冬薔薇として詠む。」

 

「冬薔薇」を季語にした句をひとつ。

 

「冬さうびかたくなに濃き黄色かな」     長谷川かな女

 

冬さうび(冬そうび)は冬薔薇のことです。寒さの中でかたくなにその黄色い色を保って咲く薔薇を讃えています。「かたくなに濃き」という表現が的確だと思います。