2022年10月26日
「朝日受けサクサクと剥く新林檎」
林檎のおいしい季節となりました。我が家の朝は林檎から。朝食はパンですが、林檎などの果物をかなり多めに取ります。秋から冬にかけては林檎は必需品です。この物価高で例年よりかなり高いとは思いますが。
林檎は秋の季語です。『今はじめる人のための俳句歳時記』(角川ソフィア文庫)で「林檎」を見てみました。
「市場に出回る期間はかなり長いが、盛りはやはり秋。新品種の研究が盛んで、さまざまな種類がある。青森・長野を中心に、北海道・岩手・山形・福島などが主産地。生のほか、ケーキの材料やジュース、ジャム、料理の素材としても用いられる。」
林檎を季語にした句を3つ。
「甲板に林檎を齧る女かな」 高濱年尾
「国後や固き林檎がなってゐる」 辻桃子
「草原に釧路の煙林檎くふ」 京極杞陽
第1句。若い女性が船の甲板で海風に吹かれながら林檎を齧っている情景を想像します。第2句。国後はもはや簡単には訪れることが出来ない場所。第3句。釧路湿原で林檎を食べているのでしょうか。どの句もその場所のイメージがおおきく膨らむ句です。このように具体的な場所を想像させる句が好きです。