わたしの水彩スケッチと読書の旅

どこまでも、のんびり思索の旅です

秋晴れ

2022年8月27日

 

「秋晴れや誕生ケーキチョコレート」

 

今日の季語は「秋晴れ」。さすがに8月だとまだ秋晴れという感じはないが、今日は家族の誕生日を祝ったので明るい季語にした。季語の力を信じるとはこのことだろう。『今はじめる人のための俳句歳時記』(角川ソフィア文庫)で「秋晴れ」を見た。

 

「秋の空がよく澄んで晴れ渡っていること。秋日和も同様であるが、十月の秋空がふさわしい。また『麗(うらら)』は春の季語であるが、暖かでまるで春を思わせる秋晴れは「秋麗(あきうらら)」という。

 

というわけで、「秋晴れ」は本当はあと1ヶ月ぐらい後の季節の季語だ。

 

「秋晴れ」を季語にした句を載せる。

 

「秋晴れや神を信ずる心ふと」     星野立子

「秋晴や隼あがる妙義山」       関野喜代子

「秋晴れて日常茶飯尊とけれ」     徳川夢声

「秋晴の週末を待つスニーカー」    高浜礼子

 

第1句。星野立子の句。秋晴の空を見上げると、本当に神様がそこにいるような明るい気分になる。第2句。写生句だ。隼(はやぶさ)の速い動きを目で追っているような錯覚に陥る。これも俳句の力だ。第3句。徳川夢声の声は子供の頃ラジオでよく聞いた。こんなところで夢声さんに会えるなんて、やっぱり俳句の力だ。第4句。明るいウキウキする句。スニーカーを詠むところからすると新しい時代の人の句だろう。俳句には若い世代の精神も込められる。