葛(クズ)
2022年9月2日
「降る雨や道にせり出す蔓(つる)の葛」
8月19日に詠んだ句の季語「葛」が再登場した。散歩をしていると葛の成長が著しいのが目につく。道路にどんどんせり出してきて邪魔になるほどだ。
クズはマメ科クズ属の多年草。秋の七草の一つだが、植物のハンドブックや図鑑には載っていないものが多い。それだけ当たり前の植物なのだろう。このように植物関係の本にはあまり取り上げられないのに、俳句ではよく詠まれている。
「葛の葉の上を風吹く暑さかな」 立子
「傘あげて見よ一山の雨の葛」 細川加賀
「夕立や泥によごれし葛の蔓」 野村泊月
第1句。残暑の厳しいころに葛の原を渡ってくる風の暑さを詠んでいる。葛がうっとおしく見えるのは仕方がない。第2句。雨の中、傘をあげてふと見ると、山全体が葛におおわれている。その驚き。それだけ葛の生命力が大きいのだ。第3句。雨に打たれて泥に汚れても全然へこたれない。やはり詠まれているのは葛の強さだ。
今日は葛をスケッチした。
今日のスケッチ
ホワイトワトソン水彩紙 SM