わたしの水彩スケッチと読書の旅

どこまでも、のんびり思索の旅です

柘榴(ザクロ)

2022年8月13日

 

「朝の路色づき肥える柘榴(ザクロ)かな」

 

今日の季語は「柘榴(ザクロ)」。秋の季語だ。柘榴を詠んだ句は多い。昔から人々に親しまれてきた。柘榴の実は、はじけて割れる前も割れた後も絵になる。絵かきも好んで描いてきた。実は甘酸っぱい。好きかと聞かれると、うーんまあまあと答えると思う。子供の頃に近所の柘榴の実を食べたが、取り憑かれるほど感動はしなかった。微妙な甘さ微妙な味。しかしどこか懐かしい。町内のどこかに植えておいて欲しいと願う木だ。

 

期待通り、私の住む町内には小ぶりな柘榴の木がある。熟れた実を収穫している気配はない。ずっと丸い赤い大きな実がついたまた冬を迎え、年を越して実が落ちてまた次の花が咲く。柘榴の実は見て美しく、そこにあれば嬉しいが、取って食べようという気はしない。

 

ザクロはザクロ科・ザクロ属。小アジア原産の落葉小高木。6月に赤い花が咲く。果実は球形で不規則に割れる。

 

今日は柘榴のスケッチをした。同時に柘榴の句を考えた。これがなかなか思い浮かばない。

俳句初心者だから、今は上五と下五を名詞にする(そのどちらかに季語を入れる)ことを心がけているので、その制約下でますます苦しい。苦し紛れの句となった。

 

数多くある名句の中で、2つを取り上げた。

 

葉隠に秋をうなづく柘榴かな」  寺田寅彦

「裏町に住んで柘榴の一木かな」  河東碧梧桐

 

寅彦の句は秋と柘榴が季重なりになっている。しかし沢山の葉の間に隠れるように見事な実をつける柘榴の感じをよくつかんでいる。柘榴が次第に色づくと秋を感じさせるところもうまく詠んでいると思う。碧梧桐の句は親しみを持てる句だ。どこにでも1本の柘榴があると嬉しくなるという今の私自身の心情に近い句だ。

 

今日のスケッチ

アルシュ水彩紙 荒目 SM

鉛筆とシュミンケ固形水彩絵の具