わたしの水彩スケッチと読書の旅

どこまでも、のんびり思索の旅です

盆休み

2022年8月14日

 

「散歩道猫にも有りや盆休み」

 

今日の季語は「盆休み」。世の中はお盆の三日間は休みとなり、墓参りになどに出かける。我が家では島根県と福岡県への墓参りには新型コロナでもう3年も行っていない。

 

そうは言ってもこの時期は故人を偲ぶ大事な時期だ。亡くなった家族や、親しかった人や、昔のことなどをいろいろと思い出す。こうやって過去を思い出すのはきっと人間だけなんだろうなとふと考える。過去を繰り返し繰り返し思い出すのがいいことなのかどうなのか、分からない。長く生きるとそれだけ良い思い出も苦しい思い出も心にたまる。自分自身は過去を忘れて今を淡々と生きたいという気持ちが強い。理想は猫や犬のように1日だけの記憶の中に生きることかもしれない。俳句はさしずめその1日の記憶のメモだ。

 

盆休みを季語とした句を2句載せる。

 

「恪勤(かっきん)の父おくり出す盆休み」   高橋悦男

「乱読と決めて三日の盆休み」         浅井青陽子

 

最初の句の恪勤という言葉は知らなかった。真面目に職務に励むことだそうだ。この句を見て、自分の父親を思い出した。会社勤めの父は真面目な人で、盆も正月も休まず働いていたように思う。2つ目の句は過去の自分の姿と重なる。退職前は盆と正月ぐらいしか小説などを読む時間は無かった。今は退職して時間が有り余っている。本も自由に読める。絵も描ける。多忙だった現役時代の裏返しとはいえ、有り難いことだ。