わたしの水彩スケッチと読書の旅

どこまでも、のんびり思索の旅です

稲刈り

2022年10月2日

 

「稲刈りや空にジエット機白き雲」

 

稲刈りが始まりました。今日の季語は「稲刈り」。『今はじめる人のための俳句歳時記』(角川ソフィア文庫)で「稲刈り」を見てみました。

 

「地方によって異なるが、早稲は八月下旬に、晩稲は十月以降に刈り取られるが、ふつうは九月半ばに刈り取る。」

 

余りうまい説明ではありませんが分かります。今日は朝冷えましたが、昼間は暑いぐらいの気温になりました。朝の散歩道で、稲刈りをして脱穀をしている田んぼを見ました。この地域ではまだ早いほうです。これから今月いっぱいかけて稲刈りが進みます。今のところ大きな台風の来襲もなく、稲は順調に生育しています。

 

「稲刈り」を季語にした句を四つ。

 

立山に初雪降れり稲を刈る」      普羅

「湖沿ひの闇路となりぬ稲車」      飯田蛇笏

「稲束を抱き学童に声をかけ」      西村和子

「山田とて稲を刈り干す岩多し」     秋桜

 

第1句。前田普羅の句。この人の句には特徴があります。冬の山を詠んだ句が多いようです。句に独特の陰影を感じます。冬の風景画をみているような気分。第2句。飯田蛇笏の句。この句も情景がありありと目に浮かびます。優れた俳人の句は迫力一杯です。第3句。現代の俳句の騎手のひとり。やさしい句です。こんな情景の描写でも俳句になるんだと感心させられる句。一瞬の動きを捉えた句です。第4句。水原秋桜子の句。この人の句は好きです。水彩でスケッチしたくなるような場面。それを17音で切り取っています。