わたしの水彩スケッチと読書の旅

どこまでも、のんびり思索の旅です

虫の音(むしのね)

2022年9月26日

 

「虫の音や耳鳴りかなと惑う夜」

 

今日の季語は「虫の音」。秋の虫の声が日増しに大きくなっています。朝晩はずいぶん涼しくなりました。『今はじめる人のための俳句歳時記』(角川ソフィア文庫)で「虫・虫の音」を見てみました。

 

「秋鳴く虫の総称。鳴くのはすべて雄で、種類により独特の音色がある。」

 

いたってシンプルで分かりやすい説明です。

 

「虫」を季語にした句を二つ。

 

「或時は虫に耳貸しつゝ話す」     高木晴子

「虫籠の中別の世がたそがるる」    北村仁子

 

第1句。素直な情景の描写です。上五から下五まで立ち止まらず一気に詠んでいます。第2句。虫籠の中が別世界であるというのが面白い。