わたしの水彩スケッチと読書の旅

どこまでも、のんびり思索の旅です

秋の雲

2022年8月22日

 

「秋の雲高校野球終わりけり」

 

今日の季語は「秋の雲」。『今はじめる人のための俳句歳時記』(角川ソフィア文庫)で「秋の雲」を見た。

 

「澄んだ秋の青空に映える特徴的な雲の一つは白い小石を並べたような巻積雲や高積雲で、海原に群れた鰯(いわし)に見立てて鰯雲と呼ぶ。雲の塊が大きく陰影のあるのは鯖(さば)の背の斑点模様に似ており鯖雲と呼ぶ。」

 

これから本格的な秋を迎えるので、これからは空の雲を注意して眺めたい。「秋の雲」を季語とした句は沢山詠めそうな気がする。

 

今日は夏の全国高校野球の決勝戦だった、宮城の仙台育英が山口の下関国際に勝って優勝した。点差はついたが、緊迫したいい試合だった。試合が終わってみると季節は秋。そんな季節の変化を「秋の雲」の季語に託して詠んでみた。調べた限り「高校野球」は季語ではないようだ。

 

「秋の雲」を季語とした句を最後に載せたい。

 

「山国の天に波音いわし雲」      渡辺恭子

「ねばりなき空に走るや秋の雲」    丈草

「秋の雲一刷き利根の大曲り」     加藤耕子

 

第一句。山に囲まれた場所で見た空のいわし雲を詠んでいる。波音という表現が見事だ。きっと波音が聞こえてきそうなぐらいすばらしいいわし雲だったのだろう。第2句。秋の空の雲の流れを詠んでいる。ねばりなき空、そして走る雲という表現がこれまた見事。第3句。大きなパノラマ風景が頭に浮かぶ。絵にできそうな風景だ。