わたしの水彩スケッチと読書の旅

どこまでも、のんびり思索の旅です

燕去る(つばめさる)

2022年9月27日

 

「燕去る空高々と南へ」

 

今日の季語は「燕去る」。秋の季語です。燕帰る、燕去る、帰燕(きえん)、秋燕(あきつばめ)、秋燕(しゅうえん)など、一連の言葉が関連する季語になっています。『今はじめる人のための俳句歳時記』(角川ソフィア文庫)で「燕帰る・燕去る」を見てみました。

 

「春、南方から渡ってきた燕は、夏の間に子を育て。九月頃には一斉に帰ってゆく。身近に飛びかっていた姿が見られなくなり、空(から)になった巣が軒下に残されているのはさびしい。」

 

燕が群れをなして南へ移動する準備をしていました。空の高いところを飛び回っています。どこまでどれだけの距離を飛んでいくのでしょう。本当にエネルギッシュだと思います。生き物は、動物も植物も、どれもこれもすごいです。

 

「燕帰る」を季語にした句を一つ。

 

「ある朝の帰燕高きを淋しめり」    鈴木真砂女

 

燕が帰るところを観察するだけでなく、そのときの印象・感情まで詠み込むというところが素晴らしいです。虫を追って低いところを飛んでいた燕が、帰り支度で高い空を飛んでいる。もう姿が見えなくなる淋しさが伝わります。