わたしの水彩スケッチと読書の旅

どこまでも、のんびり思索の旅です

朝寒(あささむ)

2022年9月28日

 

「朝寒やランで出勤する教師」

 

今日の季語は「朝寒」。『今はじめる人のための俳句歳時記』(角川ソフィア文庫)で「朝寒」を見てみました。

 

「秋口、ことに朝夜に感じる仄(ほの)かな寒さ。山本健吉によれば、似た季語であるが、新涼は初秋、冷ゆは仲秋、やや寒・朝寒などは晩秋だという。なお、『朝寒』ではない『寒き朝』だと冬の季語。」

 

ということで、朝寒は晩秋の季語なので、ちょっとまだ使うには早すぎるのですが、朝のひんやりした感じを出すにはピッタリの季語なので、これを使いました。

 

地元の小学校の先生たちは、殆どの人が車での通勤ですが、中にランニングで出勤される先生がいます。小さなザックを背負って、体操服姿でランニング出勤です。朝の7時半頃いつも感心して眺めています。

 

「朝寒」を季語にした句を三つ。

 

「朝寒や歯磨匂う妻の口」    日野草城

「朝寒や大魚動かず淵の底」   正岡子規

「朝寒の仏頂面を洗ひおをり」  村山古郷

 

第1句。なんだか微笑ましい家庭的な雰囲気を感じます。第2句。子規らしいダイナミックなスケールの大きな句。第3句。これも家庭的・日常的な句。今の自分に当てはまります。5・7・5の17文字でこんなに雰囲気の違う句ができる。やはり俳句は素晴らしい。