小春空
2022年11月9日
「ポッキーも値上がっており小春空」
今日の季語は「小春空」。『今はじめる人のための俳句歳時記』(角川ソフィア文庫)で「小春」を見てみました。
「陰暦十月の異名。現在の十一月頃をいう。移動性高気圧におおわれて風も穏やかで気温も上がり春を思わせる日和となる。これが小春日和。北米の晩秋の静かで靄(もや)がかかったインディアンサマーに似ている。」
朝晩は冷えて油断すると風邪をひきそうですが、昼間は春の陽気です。まさに小春日和です。こんな日は何もしないで、ボーッとしていたいですね。もう今さら何をあくせくという心境。退職して年金ぐらしの高齢者そのものの心境です。ただ、モノの値段の上昇は気になります。多くの人がますます質素な生活を強いられるこの冬。小春空なんてのんきなことを言っておれないのかもしれません。年寄りのおやつも値上げです。
小春を季語にした句を一つ。
「あけ放す窓は上野の小春哉」 正岡子規
子規はこの頃上野に住んでいたのでしょうか。それともたまたま訪れた場所が上野だったのか。それはよく分かりませんが、昔の東京の上野界隈の雰囲気まで伝わってきそうな句です。いい句はいろいろなことを読者に想像させてくれます。