わたしの水彩スケッチと読書の旅

どこまでも、のんびり思索の旅です

返り花

2022年11月2日

 

「鳥たちよつつくな放て返り花」

 

今日は暖かな日でした。季節ではないのに花が咲く。これが返り花です。先日テレビのニュースで返り花のことに触れていました。こんなに暖かいと季節を間違えて桜の花が咲いたりします。

 

『今はじめる人のための俳句歳時記』(角川ソフィア文庫)で「「帰り花(返り花・忘れ花・狂い花・狂い咲き)」を見てみました。

 

「桜、山吹、つつじなどが、小春日和にさそわれるように、時期外れの花をつけること。ひっそりと咲くさまは哀れを誘う」

 

「返り花」を季語にした句をひとつ。

 

「返り咲く花は盛りもなく散りぬ」   下村梅子

 

返り花をよく観察しています。花盛りというには程遠い状態でチラホラと咲く桜。ひっそり感が漂います。作者はすぐに寒さが戻って来て散ってしまう花に愛おしさを感じています。