わたしの水彩スケッチと読書の旅

どこまでも、のんびり思索の旅です

蕎麦の花(そばのはな)

2022年9月16日

 

「鳥たちにまいた種から蕎麦の花」

 

今日の季語は「蕎麦の花」。初秋の季語です。小鳥を庭木に呼ぶために市販の小鳥の餌を買ってきて庭にまいています。ひまわりの種やら粟やらいろいろなものが混じっているのですが、その中に蕎麦の種があったようです。そのいくつかが気が付かないうちに地面で発芽して、また気が付かないうちに可憐な花を咲かせました。びっくりです。

 

『今はじめる人のための俳句歳時記』(角川ソフィア文庫)で「蕎麦の花」を見てみました。

 

「蕎麦の原産地は東アジア北部といわれ、蕎麦や蕎麦がきのような食べ方をしている民族は案外多い。荒地でもよく育つことから、日本では高地の畑などに栽培され、初秋、白い花が一斉に咲いて畑をおおう。稀に淡紅色もある。」

 

「月光の満ちゆくかぎり蕎麦の花」      古賀まり子

「山影は水のごとくに蕎麦の花」       千代田葛彦

「蕎麦の花旅の一日(ひとひ)は暮れやすき」 町野けい子

 

第1句。広い蕎麦畑で日が落ちて月が出ているのでしょうか。きれいな句です。第2句。これもきれい。山裾に広がる広い蕎麦畑を見て詠んでいるようです。山の影が蕎麦畑にかかっています。第3句。初秋の旅のシーン。蕎麦畑が見えます。何だかおいしい蕎麦が食べたくなりました。