わたしの水彩スケッチと読書の旅

どこまでも、のんびり思索の旅です

水彩紙の話(その2)

2022年2月17日

 

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今日は地域猫ブレッド君をスケッチしました。散歩道で出会うと、道にゴロンゴロンと転がって愛嬌を振りまきます。岡山市の朝は昨日も今日も零下。特に昨日はマイナス3℃の寒さでした。それでも気分が良いらしく、ゴロンとひっくり返りました。ほんとにこの子は元気です。こちらが元気づけられます。

 

今日使った水彩紙はアルシュ。フランス製の最高級紙です。細目、中目、粗目とありますが、私は粗目を使います。プロの間ではアルシュなら粗目と言われているようで、その影響です(人に影響されやすいので・・・)。表面をプレスしていないため、言ってみれば紙の細かい凸凹がそのまま表面に残っています。この表面の凸凹に絵具が微妙にたまって、深みのある絵になると言われています。とにかくこれが最高級紙という評判です。使うときには少し緊張します。出来上がりに過剰な期待をし勝ちですが、慣れないと紙の良さが分からないまま、「わあー、難しい紙!」と思いながら描き終わってしまいます。

 

粗目のアルシュ紙の手強さが分かるのは、鉛筆で下書きスケッチをする時です。鉛筆の芯が紙の表面に引っかかって黒鉛が紙に残る。あまりていねいに鉛筆書きをすると、あとで消しゴムで余分な線を消す時に苦労します。当然黒鉛が紙の表面を汚します。あとで透明水彩絵の具を塗る時にはこれが透明感を損ねるので要注意。鉛筆の芯だけでなく、絵筆の毛先もちびてきます。

 

アルシュ紙は、彩色後に色が沈み込むと言われています。確かにそうです。全体に落ち着いた感じになるので、それが好きな人にはいいでしょう。コットンパルプ紙なので、一度塗った色を落とすのは難しい。そのかわり、塗った色の上から他の色を塗っても前の色が抜け出すことはありません。透明水彩独特の色を重ねていく効果が十分発揮されます。その他、ぼかしやにじみなどの効果も当然うまく出来ます。ほぼ万能の紙なのですが、お値段が高い。今日のように猫のスケッチだけに使うのはちょっともったいないかなと思ったりします(ブレッドくんには申し訳ないけれど)。私は以前にアルシュ粗目のロール紙を買い、何年もかけて使い切りました。個人的には、この紙の貫禄が好きです。まさに王者の貫禄というところでしょうか。

 

今日久しぶりにアルシュ粗目を使ってみて、緊張し、また鉛筆下書きや彩色に意外と手こずりました。そして新たな発見もありました。こうやって、いろいろな紙を自分で確かめながら、自分にピッタリ合った紙を見つけていくのも水彩の楽しみです。

 

今日のスケッチ

アルシュ水彩紙 粗目 F6サイズを半分にして使用(もったいないので)。

鉛筆と透明水彩絵の具