今日もやめられない 透明水彩の色見本作り
2021年11月22日
昨日はホルベイン水彩絵の具(日本製)の色見本を作りました。今日はシュミンケ固形水彩絵の具(ドイツ製)の色見本を作ることにしました。色見本を自分で作ってみると、面白くてやめられないのです!
シュミンケ透明水彩絵の具は、絵の具の世界最高級品との定評があります(ドイツ製なので、絵の具の「ベンツ」と言われています)。透明水彩をやっている人なら一度は使ってみたい絵の具です。しかし、さすがに価格が高い。一つの色が16mmx13mmx5mmの小さなプラスチック製の容器(ハーフパン)に充填されているのですが、安いもので700円、高いものだと1,600円ぐらいします。まずは24色のセットを買ってみて、気に入ったら、それからシュミンケ社だけしか作っていない自分の好きな色を少しずつ買い揃えるという手でしょうか。プロの水彩画家の中には絵の具の研究が好きな人が結構いて(まあ当然ですが)、ブログやツイッターにシュミンケの絵の具についての興味深い記事が沢山出ています。
私も水彩を始めて十数年になりますが、かなり初期からシュミンケの固形水彩絵の具(ハーフパン24色)を使っていました。使い始めた時の驚き。それは、ハーフパンに入った乾いた固形水彩絵の具の表面を、水でぬらした筆でさっと触るだけで、筆に色が簡単に乗り移り、その後水彩紙に筆を置いて色を付けると筆の動きに従ってすっと絵の具が伸びることでした。なんだろう、この滑らかさ!そしてこの色の美しさ! かなりびっくりしました(感動しました)。それまではイギリスのラウニー社製やウインザー・ニュートン社製の固形水彩絵の具を使っていました。これらもかなり優秀な絵の具で好きなのですが、色の中には使っているうちに水に溶けにくくなるものがありました。シュミンケの絵の具にはそのような問題がありません。
今は日本のホルベイン水彩絵の具もよく使います。価格が安く、いつでも手に入り、発色や耐光性もとてもいいです。シュミンケに劣りません。ホルベインの水彩絵の具の中にも「傑作」といわれる色がいくつかあるようで、専門家が高く評価しています。基本色はほとんどホルベインで揃えて、あと特殊な自分の好みの色を数本シュミンケで揃える、というのが実質的かな、と思います。
あと、シュミンケがすごいと思うのは、ドイツのお国柄でしょうか、環境への配慮が強いということです。カドミウムやコバルトなど人体に有害な金属を含む絵の具については安全な代替品を次々に開発しています。水彩の筆を洗った水はなるべく持ち帰るといいのですが、実際は現場で流してしまうこともよくあります。有害な絵の具を使わないようになれば、安心して絵の具の入った水を捨てられます(実際には野外の透明水彩スケッチでは絵の具を使う量は非常にわずかで、ほとんど問題はないとは思いますが)。
今日作ったシュミンケ絵の具の色見本。シュミンケ社が作っている色見本(カラーチャート;インターネットで公開されている)を見て、ひとつひとつ製品の説明を読みました。絵が好きな人は基本的に色が好きだと思います。私もこのシュミンケ社の色見本を何度も何度も見直して、好きな色を探します。次はこの色を手に入れて空や海や緑を描きたいな、とか思いながら・・・。