透明水彩パレットの掃除と色見本作り
2021年11月21日
生まれつき不精なので、普段スケッチが終わるたびにやるべきパレットの掃除がなかなかできていません、さあ描こうと思ってパレットを開いた時に、前に使った絵の具がパレットの混色スペースに残っていると、ちょっとやる気をそがれます。
スケッチが終わった時に、持っている布かティッシュペーパーを水で濡らしてさっと拭いておくだけていいのですが、道具を片付ける時に時間に追われていることが多く、そんな簡単な掃除ができないことがしばしばです。家に帰ってから洗おうと思っていると、たいてい忘れてしまっています。
今日は思い切って、古い絵の具を全部洗い流して、パレットを全面的に掃除し、絵の具のチューブから新しい絵の具約30色をパレットの上に置きました。さらに、パレットに絵の具の色の名前をマジックインキで書き入れて、色の名前を意識できるようにしました。これまでは、だいたいの名前は分かっていたのですが、実際に絵を描く時には絵の具の色の名前はどうでもよく、パレットからかなり適当に色を選んでいました。
そして今日はさらにもうひとつ、パレットに並べた色の色見本を初めて作ってみました。これは実はもっと以前に、水彩をやり始めた時期にやるべきこと(基本作業)だったのですが、ついつい今日まで先延ばしにしていました。実際に色見本をつくってみると、絵の具の特徴がよく分かり勉強になります。特に水彩紙の上で色を薄めるために濃い色の絵の具を塗った部分の右横を水を含ませた筆でさっと触った時に、水の方へ拡散していく絵の具の速さが色ごとにかなり違うのには驚きました。プルシアンブルーという絵の具(葛飾北斎など江戸時代の浮世絵師によって使われたことで有名)は、拡散が特に速かったです。絵の具の粒子が細かいと拡散しやすく、粒子が大きいとその場に沈着して拡散しにくいはずです。本当はこの絵の具の特性まで頭にいれて絵を描くべきなのかもしれません。
ネットで調べると、プロの水彩画家が、このような色見本つくりを強く勧めています。絵の具の希釈や他の色との混色の色見本を自分で作っていると、現場での「出たとこ勝負」ではなくて、少しは「理論的な」絵が描けるのかもしれません。そうして描いた絵が面白いかどうかは、また別問題ですが・・・。でも、透明水彩をやる人は、この色見本作りは必ず自分でやってみるべきなのでしょう。