わたしの水彩スケッチと読書の旅

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コロナ患者自宅療養方針は撤回して欲しい

2021年8月4日

 

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ルドベキア

 

政府はコロナ患者は重症患者以外は自宅療養を基本とするという方針を出しました。これは医療現場の逼迫を考えての政策だとおもいます。しかし、これはちょっと待ってほしい。中等症以下の患者は全て自宅待機となった場合、狭い家の中での隔離が実際上難しいことを考えると、家庭内感染のリスクは間違いなく高まります。患者の世話をする中で、家族に濃厚接触者も出るでしょう。

 

感染者が出た場合、まず感染者を個室に移し、家中の換気を徹底する必要があります。暑い夏は高齢者の部屋は特にエアコンをして冷房に気をつけていますが、これにさらに一定時間ごとの換気が加わります(1時間に2回5分以上と何かに書いてありました)。トイレや洗面所は共用なので、水道の蛇口、電気のスイッチ、ドアの取っ手、便器のフタなど感染者が触れる可能性のあるものはそのつどアルコールや過塩素酸水溶液で消毒する必要があります。

 

家の中ではもちろん全員がマスクをして感染を防ぎ、感染者の食事は部屋の前に置いて、食器を洗う時は最後にする。食器の乾燥、保管も別にする。感染者は家族の中で一番最後にフロに入り、お湯につかるのは避ける。最後はシャワーで浴室内を流し、体を拭くタオルも感染者と他の家族とは分ける。1日最低2回は熱を測る。

 

我が家のような老老介護家庭では、普段の生活も家族の協力で何とかぎりぎりで成り立っています。もし誰か一人、特に高齢者の世話をするわれわれ比較的若い家族が感染してその後も入院できず自宅療養となると、事態は非常に深刻です。世話が大変で、上に書いたことを全部やれる自信はありません。濃厚接触者になると、しばらく食料品の買い出しにも行けません。完全にアウトです。

 

万が一の場合を考えて、我が家では一応「対応表」を作って家族全員で確認はしています(老人施設への緊急避難も含めて、上に書いたような日頃の処置)。しかし、現実にその事態になるとはおもっていません(でした)。誰か家族の一人が万が一感染したら、症状の程度にかかわらず即入院できると思っていたからです。しかし、中等症までは入院できないとなると、にわかにこの「対応表」が現実味を帯びてきます。

 

我が家は全員2回のワクチン接種を受けました。それでかなり安心度は増しました。しかし、ワクチンの抗体価も人によって異なるし、やがて時間が経つとまたその抗体の力も減少してきます。世界ではすでに3回目の接種に入った国もあると聞きます。変異株が猛威を振るう現在、ワクチンを打ったからといってまったく安心はできません。

 

医療現場は患者の急増で大変だとは思いますが、今回の基本的にコロナ患者は自宅療養という政府の方針は撤回してもらいたい。症状のある患者は中等症以下でも入院を受け入れてもらいたい。もしこれが現状では無理というのなら、政府には、重症化した患者が自宅から病院へスムーズに移動できるような体制を確実に確保して欲しい。それと患者家庭へ医師や看護師を派遣する体制を作って欲しい。パルスオキシメーター(血中酸素濃度測定器)や酸素吸入器・酸素ボンベを希望する一般家庭にすぐに貸出できるような体制を作って欲しい。

 

東京オリンピックでのメダル獲得のニュースで連日日本中が沸き立っていますが、その陰でコロナとの戦いには日本はほぼ連敗中です。ワクチンが自国で作れなかったこと、外国からのワクチン調達が遅れたこと、繰り返される緊急事態宣言がもはや効果を発揮しなくなり人流を抑えられないこと、コロナに対する検査・医療体制や保健所・医療関係者へのサポートがまだまだ不十分なことなど、これまでの敗因は明確です。コロナとの戦いは長期戦です。この辺りで何とか戦況を好転させたいものです。

 

岡山県は今日、2ヶ月半ぶりで新型コロナ感染者が3ケタになりました。131人です。