わたしの水彩スケッチと読書の旅

どこまでも、のんびり思索の旅です

こんな本読んだことありますか? 「いい猫(こ)だね」(岩合光昭著、ヤマケイ新書)

2020年12月29日

 

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動物写真家 岩合光昭(いわごうみつあき)さんが主に旅先で出会った猫50匹を撮った写真とエッセイをまとめた本です。岩合さんは1950年東京生まれで私と同じ世代。猫の写真集や猫カレンダーで今人気の写真家です。NHKテレビ BSプレミアム岩合光昭の世界ネコ歩き」を毎週見ていますが、ビデオカメラで撮影する映像の美しさにはため息がでます。番組では、岩合さんの飾らない人柄がにじんだ解説や、静かなバックミュージックも好きです。

 

この本「いい猫だね」では、岩合さんが特に忘れられない猫たちが登場します。最初の「記憶のネコ、」では、岩合さんが大学2年の時に初めて飼った2匹の猫「キイロとクロ」の写真、20代半ばで飼った「海ちゃん」、奥さんの実家、逗子の家の「チビ」の写真などが紹介されています。もう4,50年前の写真なのにいい作品です。

 

「ふるさとのネコ」、「一瞬の出会い」、「ご主人思いのネコ」、「相棒とネコ」など、テーマごとに印象的なネコの写真と素直な文章が続きます。猫との出会いは基本的には一期一会。1度出会って、もう2度会うことはほとんどありません。海外の取材が多いのでなおさらです。それが何となく淡い感傷のようなものを岩合さんの文章に生みます。生まれて、かわいく元気で走り回って、親になって子育てをして、最後に老いて死ぬ。そんな短い猫の一生に対する著者のやさしい思いが強く感じられます。

 

私も朝の散歩道で時々地域猫に会いますが、岩合さんを見習って、じっくり時間をかけて彼等のショットを撮ってみたいという誘惑にかられます。私の場合はその写真をもとに猫と風景の水彩画を描いてみたいのです。こんなコロナ禍でどこにも出かけられない毎日だから、何か新しいことを始めるいいチャンスかもしれません。