わたしの水彩スケッチと読書の旅

どこまでも、のんびり思索の旅です

ヤマボウシ(ミズキ科・ミズキ属)

 

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梅雨の時期に白い美しい花を咲かせる木があります。ヤマボウシ(山法師)です。北米原産のハナミズキと近縁です。ハナミズキとよく似ていますが、もう少し野趣に富んでいます。花弁状の大型の総苞(そうほう)と呼ばれる部分がまるで花びらのように見えるのはハナミズキと同じ。本当の花はその中央に沢山集まってついています。

 

数年前に自宅から車で30分ほどの臨済宗のお寺の庭でこのヤマボウシをスケッチしました。その時、多分80歳代と思われる年配の女性が一人で寺を管理しておられて、境内の植物の話をしてくれました。珍しい花が咲くと地元の新聞社の取材があると言っていました。寺の前にはきれいな道路がついていて岡山市内から簡単に車でアクセスできます。この道路がついたのは、このお寺の近くで廃棄物処理場を建設することへの見返りだったそうです。しかし、ぐるりとあたりを見渡してもそんな処理場が近くにありそうには見えませんでした。夏にホタルが飛び交う川もすぐそばにありますし・・・。

 

境内には珍しい植物が植えられていて、ちょっとした公園のようです。池にはハナショウブが咲き、サクラの木などの他に初めて目にするハンカチノキなどがありました。この時、うれしくなって一度に3種類ぐらいの木を続けてササッとスケッチしました。

 

ヤマボウシは若い頃あちこち山歩きをしていた時によく出会いました。白いきれいな総苞が遠くからもよく目立つのです。ヤマボウシという名前も一度聞くと忘れません。私がまだ若い時の低山歩きの思い出とつながっている植物です。時々庭木や公園樹にもなっています。かなり大きな木になります。ヤマボウシは近縁のハナミズキより病気に強いそうです。花言葉は「友情」。実に健やかなイメージです。