わたしの水彩スケッチと読書の旅

どこまでも、のんびり思索の旅です

シモツケ(バラ科・シモツケ属)

 

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シモツケを漢字で書くと下野。下野国(しもつけのくに、今の栃木県)で最初に見つけられたことにちなんで名付けられました。私はこのシモツケの名前を思い出す時には、やはり下野国をまず頭に浮かべます。私のように西国生まれの西国育ちの人間には、下野と聞くとあまり馴染みがない東国というイメージ。そして日本地図の関東地方の図がすぐ浮かびます。花を見て日本地図を連想させるというのも、なかなか珍しい植物です。

 

シモツケは、春に地際から新しい茎を伸ばす小木で、先端に花序をつけます。全体にこんもりした感じの小さな花からなる茂みです。色合いはどちらかというと江戸時代の国名が示すような江戸風情。桃色のやや地味な花のかたまりですが、目を近づけて1個1個の花を見ると、結構上品な美しい花です。

 

今日のスケッチは、はじめはBの先の丸い鉛筆を使って下書きを描き始め、花の塊の部分を描きながらもっと先の尖った薄い鉛筆がいるなあと思ってHBとHの鉛筆を使いました。彩色は透明水彩絵の具(シュミンケ)です。普段の風景画では筆ペンで線を書くので、鉛筆の使用に関してはまるで初心者です。鉛筆も、今日のように濃さの異なる鉛筆を、先を丸めたり尖らせたりと、いくつか使い分けるのがいいのかなと思いました。全般的には、先の尖った鉛筆でキリキリ神経質に描かないで、リラックスしてBか2Bぐらいの濃さの鉛筆でゆったり描きたいと思います。彩色では、風景画でいつもやっているグリザイユ画法を使ってみました。つまり影の部分をはじめに紫っぽい色で塗りました。

 

シモツケ花言葉なんかあるのかな、と思って試しにインターネットで調べたら、「整然とした愛」「はかなさ」とありました。沢山の小花が整然と集まって咲いている様子からそんな花言葉になったのでしょうか。花が終わるとぼうぼうに伸びた茎が邪魔になって短く切られてしまうので、「はかなさ」は確かに当たっているかもしれません。