わたしの水彩スケッチと読書の旅

どこまでも、のんびり思索の旅です

こんな本読んだことありますか?  『水彩画プロの裏ワザ』、『水彩画プロの裏ワザ Part2』(奥津国道著、講談社)

2019年12月22日

 

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水彩風景画を志す人が必ず一度は手にとって眺めるガイドブック。それがこの2冊の本です。その内容にひかれて2冊とも買って手元に置いている人も多いことでしょう。実は私もその一人です。その魅力は鉛筆による線描の正確さと美しさ、そして彩色の巧みさにあります。魅力的な線描を活かす薄めの彩色。沢山の作品例。惜しみなく公開される基本テクニック。そして丁寧な画材の解説。私も水彩画を描き始めた頃にはずいぶんお世話になりました。今でも時々参考にしています。

 

特に感謝しているのは、この本で「グリザイユ画法」を教えて頂いたことです。色を着彩する前に、予めグレーや紫色などで物の影を描きこんでしまう画法です。こうするとその後の着彩がすごく楽になります。明るく輝いている場所を白く残す時にも影の部分を塗りながらそこに注意が向きます。時間に制約がある野外スケッチでは、短時間で絵の全体像を決める必要があり、そのためにはこの「グリザイユ画法」はとても有効です。

 

画材の固形水彩絵の具、水彩紙、筆、三脚椅子も最初はこの本の指示に従って揃えました。勧められたラングトン水彩紙やモンバル・キャンソン水彩紙は今でもよく使います。著者と同じような絵を描く必要は全くありませんが、役に立つテクニックを参考にして自分の絵に活かすといいでしょう。