わたしの水彩スケッチと読書の旅

どこまでも、のんびり思索の旅です

カーネーション(ナデシコ科・ナデシコ属)

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5月第二日曜日の母の日にカーネーションを送る習慣は日本でも定着しています。もともと20世紀の初めに米国東部ウエスバージニア州でスタート。日本では大正時代に教会で行われるようになり、戦後大きく広がりました。米軍占領下の日本で、母の日のカーネーションが戦争で打ちひしがれた国民の気持ちを明るくしたのかもしれません。

 

これだけ愛される花なので、アメリカでは各州の州花に選ばれているのだろうとおもって調べてみると、注目のウエスバージニアの州花はツツジ。全米で唯一、ウエスバージニアの西隣に位置するオハイオ州だけが、カーネーションを州花に採用していました。そう言えば日本だって、「大和撫子」と何かにつけて言う割には、ナデシコ県花にしている都道府県は全国にひとつもありません(京都府だけが「府花」の次の「府の草花」に指定しています)。

 

水彩画の世界では、特に女性の画家を中心に(世界的に)バラやカーネーションなどの華やかな花を花瓶にいけて描くことが大流行です。実際の花以上に見事に描かれた花たちをみて、美しさにため息が出そうになりますが、私などはそういう絵が“氾濫”するこの世界を見ていると、ちょっと「自分とは違う」と思ってしまいます。一番私にとって不満なのは、どの絵も皆同じに見えて個性が無いことです。「皆うまくて皆同じ」です。多分、絵がとても魅力的でしかも水彩画的なので、この絵の描き方を指導する先生の影響を受ける人が多いのでしょう。初めはそれでいいのですが。いつか自分で気がついて、自分だけの個性的な絵の世界を作り出す必要があります。そうでないと人に埋もれてしまいます。

 

それで今回は花を筆ペン(青墨)でさっさと描いてみました。筆ペンは風景スケッチで私がいつも使っています。花は鉛筆で下書きするのが普通だと思いますが、筆ペンだと、繊細さは無いけれども速さのある力強い絵になります。ちょっと絵手紙のような感じですが、時にはこんなのも面白いでしょう。筆ペンを使う場合は、植物だけでなく花瓶や鉢がある方が絵として全体のおさまりがいいです。