わたしの水彩スケッチと読書の旅

どこまでも、のんびり思索の旅です

ハナショウブ(アヤメ科・アヤメ属)

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アヤメとハナショウブとどこが違うのだろう。他によく似た花にカキツバタがあるけれど、これとの違いは? こう聞かれると実は私もよく分かりませんでした。「いずれ菖蒲(あやめ)か杜若(かきつばた)」という言葉が昔からあって、広辞苑によると「どちらもすぐれていて優劣のきめがたい意」とあります。とにかくこの3つの花はよく似ていて区別が難しいようです。アヤメもショウブも漢字で書くとどちらも菖蒲。ますますややこしい。アヤメという名前はもともとは文目(あやめ)から来ているそうで、一番外側の花びら(実際はがく片に当たる)の基部に白色の文目(すじ模様)があります。一方、ハナショウブではそこが黄色い帯になっています。アヤメはやや乾燥した場所で生えて5〜10cmの小ぶりな花をつける植物。一方ハナショウブはやや湿った場所で生え10〜20センチの大きな花をつけます。

 

ハナショウブカキツバタの区別は更に難しそうです。花の模様はこの2種類でそっくり。しかし、ハナショウブは上に書いたように半乾燥半湿地で生育しますが、カキツバタは湿地で育つという違いがあります(確かに、尾形光琳作の国宝『かきつばた図屏風』では、水や橋は描かれていませんが、かきつばたは池の中に生えているイメージです)。更に最後の決め手は、ハナショウブの葉は幅広で白い線があるのに対して、カキツバタの葉は幅広で線なし。アヤメの葉は細長いそうです。さあ、これで3種の植物を区別できるでしょうか?

 

スケッチ好きな私にとっては、これらの花の青や紫の色が貴重で、花の形も和風で魅力的です。今回描いたのは多分ハナショウブでしょう。しかし、花の区別はもうどうでもいいという気分です。

 

最近は実に便利な世の中になっていて、インターネットで調べるとこのアヤメ、ハナショウブカキツバタの違いをあちこちで教えてくれます。YouTubeにもとてもわかり易い説明があります。