わたしの水彩スケッチと読書の旅

どこまでも、のんびり思索の旅です

歯磨きは 人間磨きより 難しい

2019年8月28日

 

今日は歯医者へ行ってきました。2ヶ月に1回、歯のメンテナンスで歯医者に行き始めてもう20年。子供の頃、あれほど怖くて嫌だった歯医者さんに、今は何の抵抗もなく出かけます。

 

私は子供時代から成人して中年になるまで、歯の病気に悩まされ続けました。子供時代は戦後の食糧難時代。小学校時代はコッペパンとマーガリンと脱脂粉乳だけの給食。歯の成長に必要な栄養も足らなかったかもしれません。やがてお菓子屋さんの店頭に森永ミルクキャラメル、明治クリームキャラメル、カバヤキャラメル、江崎アーモンドグリコなどが出始め、甘いものに飢えていた私達は、歯磨きの習慣がないまま、これらのお菓子に飛びつきました。当然歯にいいはずはなく、私の歯は永久歯に生え変わった時から奥歯の大臼歯はぽっかり穴が空いた虫歯状態に。歯医者で何度も詰め物をしてもらいそれ以上の虫歯の進行は何とか食い止めたものの、人には決して見せたくない口の中でした。

 

30歳代前半で左右の大臼歯がだめになり、ついに抜歯。この時の喪失感は忘れられません。まだ若いのに大事なものを永久に失い、歯に関しての自分の暗い将来を予感して呆然となりました。それでもその時の歯医者さんの治療が良かったのか、ブリッジにしてもらった奥歯はその後35年以上たった今日まで働いています。ただし、50歳代前半で、そのブリッジの支えになっている歯の1本が歯槽膿漏に。その歯の歯茎を切除して歯根をきれいにする手術をうけて以来、今の歯医者さんで2ヶ月に1度のメンテナンスを受けているというわけです。

 

メンテナンスというのは、歯科衛生士さんが歯周病を防ぐためにやってくれる歯の掃除のことです。歯周病菌は嫌気性細菌(酸素が嫌いな細菌)の一種で歯と歯茎の間のポケットに棲みつくのですが、この歯周病菌の集まりである歯垢(しこう)を、先端から超音波を出す細い針のような道具で物理的に破砕するのが主な掃除の作業です(私は歯科医ではないので、細かい記述には間違いがあるかもしれません)。その後、歯ブラシを使った歯の掃除もしてもらいます。

 

私は、日々の歯磨きはどちらかというと神経質なぐらい丁寧にやっています。しかし、これがなかなか難しい。自分ではしっかりやったつもりでも、2ヶ月に1度歯医者さんでチェックを受けると、洗い残し10%、20%、30%など、厳しい数字を突きつけられます。これまで歯科医で歯磨きの指導を受けて分かったことをまとめてみます。

 

  • 歯の表面の汚れは意外とすぐに落とせる。歯と歯の間や、歯の下側は汚れをとるのが難しい。歯の曲面を意識して、歯ブラシの向きを工夫する。歯間ブラシも有効(というか、必需品です)。
  • 歯周病菌を除くためには、歯と歯茎の間のポケットに歯ブラシの毛先が当たることが肝心。
  • 小刻みに手を動かして歯ブラシの毛先がポケットにストンと入り歯ブラシを動かすと軽く痛みを感じるぐらいの場所をさがす。そこを丁寧にブラッシング。
  • 小刻みに手を動かすのが苦手な人は電動ブラシを使う。今は電池式の安い電動歯ブラシ(電機メーカー製ではなく歯磨きメーカー製)をスーパーで売っている(替えのブラシも同時に販売)。これがなかなかよい。
  • 歯ブラシは、ふつうか、柔らかめのものが歯茎にやさしい。硬いブラシで強くこすっても余り効果はない。歯を磨くというより歯茎のマッサージという意識が大事。歯磨きの時間も大事。ゆったりと時間をかけてやる。
  • 歯ブラシの毛先の摩耗は意外と早い。歯周ポケットに毛先が入っても何も感じないようなら新しい歯ブラシに変える(私の場合は2、3週間で新品に交換)。

 

歯磨きは生まれてこの方、何十年も毎朝毎晩続けているのに、いつまでも満足の行く結果が出ない。じつに奥の深い作業です。超高齢者になっても入れ歯の世話にならず自分の歯で食事を取るのが「至高(歯垢ではありません!)のシンプルライフ」だと思うのですが、このシンプルライフ実現のためには、子供時代からの絶え間ない努力がいります!そして定期的な歯科診療も必要です。歯磨きも何もしないで、歯が虫歯と歯槽膿漏で全て失われて、おまけに入れ歯も無くて、歯茎だけでご飯を食べる(飲み込む)。これもシンプルライフといえば究極のシンプルライフですが・・・(私の95歳の母は時々入れ歯をつけわすれて、歯茎で食べ物を噛んでいます!!すごい母です)。

 

 

f:id:yaswatercolor:20190829073413j:plain

 

今日のマルちゃん

ラングトン水彩紙 中目 F8

鉛筆(HB)

シュミンケ固形水彩絵の具

所要時間:1時間30分