わたしの水彩スケッチと読書の旅

どこまでも、のんびり思索の旅です

涼しさと 無縁の風吹く 川面かな (岡山市北区後楽園外苑 水彩スケッチ)

2019年8月22日

 

今日は1ヶ月ぶりの水彩スケッチグループのスケッチ会です。8月猛暑の最中ですが、17名の参加がありました。皆さんとても熱心です。しかし私を含めて高齢者が多いので、無理は禁物です。今日のスケッチは岡山後楽園の外苑。岡山市内で一番絵になるスポットかもしれません。朝9時半に後楽園正門付近に集合して、午後1時まで約3時間のスケッチ。皆さん、ほとんどの人が旭川の川べりで木陰を選んでスケッチを始めました。

 

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今日の岡山市は最高気温34℃。夕方から雨の予報で、朝からとても湿度の高い1日でした。首に巻いたタオルで顔の汗を拭いながらスケッチ。最初は暑さでなかなか集中できなくて、おまけに用意した筆ペンのインクがなかなか出なくて、かなりイライラしました。しかし、絵の具で色付を始めてから気分が乗ってきました。私はいつもそうですが、鉛筆の下書きと筆ペンの線書きの時は、これで大丈夫かなあ、と不安に駆られます。しかし、色をつけ始めるとすぐに「色のマジック」を感じて心躍ります。

 

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今日私のスケッチを見に来てくれたのは、中国系のカップルとフランスの若い男性ばかりのグループ7、8人。中国系のカップルは、私のスケッチを何枚も写真に撮っていきました。フランスの若い人たちは、英語で絵をほめてくれました。こういう会話だと、ラジオ基礎英語レベルの英語で十分です。絵を前にして十分気持ちが通じ合います。

 

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私はもう かれこれ6、7年は野外でスケッチしています。1年中日本各地でスケッチをしていて気がつくのは、絵を見に来てくれるのは外国人が多いこと。観光客や留学生が気軽に話しかけてきます。私も英語での会話は好きです。一方、日本人で絵を見て話しかけてくるのは、たいてい高齢者か小学生以下の子供。中・高校生、大学生、若い子育て世代、働き盛りの年代の人達は100%といっていいぐらい無関心か無関心を装って通り過ぎていきます。4年ほど前にスケッチツアーで南フランスに行ったのですが、その時一番感激したのは、通りで座って絵を描いていると若い人や子育て世代の人たちが英語やフランス語でどんどん話しかけて来ることでした(私はフランス語は分かりません)。絵を描いていると、私の後ろに最初は2,3人、そしてやがて5,6人、そして多い時は10人と、見物人が増えていくのです。そして笑顔と手振りで絵を褒めてくれます。フランスの1週間の旅が終わる頃になると、絵を見てくれる人がいないと絵を描く気がしないほどになりました。そしてフランス人が絵画(特にアマチュア絵画)への関心が強いことを印象づけられました。

 

マンガやアニメの文化で世界をリードする日本ですから、若い世代の絵に対する興味は世界のどの国より大きいと思うのに、外で絵を描いていて日本の若者から話しかけられることはまずありません。そして外でスケッチする若者に今まで会った記憶もありません。一般に日本ではフランス印象派の人気が絶大なのに、どうして皆、野外で絵を描いている人には無関心なんだろう。日本の若者は気恥ずかしかったり遠慮がちだったりということがあるかもしれません。しかし、ひょっとしたら彼らは自分のことで精一杯で、通りで描いている人の絵を立ち止まって一緒に楽しんだりする「心のゆとり」がないのではないか。そんなことを考えたりします。

 

今日は暑くて、結局2時間半で絵を描き終わりました。最後に全員で講評会をして、それから後楽園の前のレストランで昼食に岡山名物祭り寿司を食べて帰りました。今日はフランスの若者達との会話が印象に残りました。

 

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ウオーターフォード水彩紙 ホワイト 中目 F6 2枚

青墨筆ペン

ウインザー・ニュートン固形水彩絵の具

所要時間:2時間30分