わたしの水彩スケッチと読書の旅

どこまでも、のんびり思索の旅です

インスタばえ どんなハエかと 聞くオヤジ(私)

2019年10月5日

 

「ドット・コム どこが混むのと 聞く上司」。これは有名なサラリーマン川柳の一句です。私もまねして作ったのが今日のブログタイトルの句です。もう誰かが似たような句を作っていそうですね。

 

4,5日前からインスタグラムを始めました。インスタグラムとは写真を投稿するサイトで、若者の間で広く支持されているというぐらいの認識はありましたが、今の自分にはブログもTwitterもあるのでそれで十分と思っていました。しかし先日、尾道の路上でスケッチをしていたら、通りかかったカナダ人の若い女性が「今はインスタグラムで写真を公開するのが断然便利ですよ」と自分のスマホを示しながら教えてくれたので、私も試しにやってみることにしました。

 

インスタグラムへの導入操作は意外なほど簡単でした。私のような高齢の初心者でもすぐにできました。あっけなく最初の絵(猫の絵)の写真がインスタグラム上にのりました。私が使う#ハッシュタグは、水彩スケッチ関係のものにしました。あと、日本各地のスケッチをしているので、その地域の地名をハッシュタグに使うことにしました。

 

ブログもTwitterも日本語で書いているので(Twitterは文章が短いので英語でも時々発信します)、読者はもちろんほとんど日本人のはずです。今回始めるインスタグラムでは、できれば世界中の人達と交流したいと思って、ハッシュタグを英語と日本語の両方にしました。その結果、(当然ですが)日本人と海外の人の両方から「いいね!」のチェックが入るなどの反応がありました。これにはとても感激しました。写真だと言葉の説明がなくても気持ちが通じるのだ、と納得しました。

 

さて、気になるのはその先でした。#水彩スケッチと#watercolorsketch (水彩スケッチの英訳)の2つのハッシュタグに集まる投稿写真(絵の写真です)の数を比較すると、日本語の方は4,282件、英語の方は507,687件。何と英語の方が100倍以上も多いのです。それに対応して、#watercolorsketchに集まる絵のほうが実に多様で多彩でしかも大量! 英語の #watercolorsketchにズラッと並んで次から次へと出てくる絵を見ていると、こんな刺激的な絵の中に自分の絵が入っていって本当に大丈夫だろうかと不安になります。しかし、実際に新着の写真の中に自分の絵を見つけると、その絵がそれなりの雰囲気を持って存在しているので、ちょっと安心。しかし、自分の絵にはなかなか「いいね!」のチェックが入らいない。後からどんどん押し寄せる絵には次々に「いいね!」が入る。これはかなりショックです。そして自分の絵とまわりの人達の絵に付けられた「いいね!」の数の間にどんどん広がる差。こうして投稿直後から読者の人気投票にさらされるわけです。圧倒的に若々しい、いかにもアートといえそうなユニークな絵に比べて、年寄りの描いたオーソドックスな水彩画は、若い人の感性には余り響かないのでしょう。いつまで待っても私の絵の「いいね」の数は伸びません。そしてその自分の絵は下へ下へと押し流されていきます。こうして現実の評価の厳しさを思い知らされました。

 

一方、日本語の#水彩画の投稿写真の中では、気のせいか、私の絵は比較的安心しているように見えます。投稿数も少ないので全体の流れもゆるやか。しかし、はっきり言って日本のグループの方には、「激動感」や「躍動感」がありません。日本の伝統の浮世絵やそれから伝統を受け継ぐマンガ・アニメにみれらるような線描を大事にする絵が多く見られます。絵のスタイルもやや保守的です。これはこれで日本の絵画の大事な特徴なのでいいと思いますが、やはり全体に平凡でおとなしく、あっと驚くような多様な表現に欠けているような印象です。高齢者の参加も比較的多そうです。そして、試しに日本のグループから世界のグループにもう一度戻ると、再び「激動」の世界です。

 

「多様性の欠如」は日本の社会の欠点としてよく取り上げられますが、そんなことをこのインスタグラムの上でも感じました。やっぱり、世界の激動の中に身を投じないと、小さなグループの活力はやがて低下に向かうのでしょう。「インスタばえ」というのは、沢山の集団の中で何とか自分を目立たせることでしょうね。キラリと光って存在感をアピールすることです。普段から写真を投稿する若い人たちは、この点に苦労しているわけですね。日本人の若者もこれから激動の世界の中で「インスタばえ」で経験した気持ちを忘れず、キラリと輝いて頑張ってほしい。

 

私の絵に「いいね!」をつけてくれた人が何人かいて、その人のサイトを訪問してみると、アメリカ、カナダ、メキシコ、ロシア、ウクライナ、韓国、スイス、インドネシア、イギリス、スペイン、中東など実に多様。そして若い女性が多い!アートの世界ではもはや女性が主力です。何だが嬉しくなって、もうしばらくこの「激動」の中に身を委ねて、若い人たちに同情されながらでも、自分らしい絵を描き続けてみたい、と思っています。もしよろしければ、ついでの折に、私のサイトもご訪問下さい(インスタグラムのサイト内検索でyaswatercolorと入力)。

 

(最後に試しに、私の絵に「いいね!」をくれた地元の炉端焼きの店のサイトに行ってみました。すると、メニューが写っているだけの写真なのに、どの写真も1,000個以上の「いいね!」を獲得。これにはどうも納得がいきませんが・・・・。まあ、いいか。どうも有難うございます。)

 

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