わたしの水彩スケッチと読書の旅

どこまでも、のんびり思索の旅です

ただ一人 塔と向き合う 五月(さつき)かな (岡山県総社市 備中国分寺)

2018年5月


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備中国分寺に来ました。ここはいわば私のホームグラウンドです。いつどんな季節に来てものびやかな気分になれる不思議な場所です。国分寺周辺には開発の手を逃れた広大な田園風景が広がっています。
 
5月になり、今は新緑の季節の真っ只中。周囲は見渡す限り明るい黄緑色や緑で覆われていました。その中に黒々とした色調の五重の塔がくっきりと立っています。ゴールデンウイークにはレンゲ祭りで賑わったのですが、平日はさすがに国分寺を訪れる人も少なく、とても静かで落ち着いた雰囲気です。
 
今日は新緑に埋もれる国分寺五重塔をなるべく近くから描くことにしました。五重塔の西側に回り込む農道沿いに歩いてスケッチポイントを探し、いい場所を見つけました。今日はここにイスを置いてのんびり座って描くことにし、イーゼルは低く立てました。木陰に長くいると寒いぐらいですが、日向は暖かく、日差しがとても強く感じられます。透明サングラスをかけてスケッチ開始。
 
今日のポイントは、中央の陰影の際立つ五重塔に対して、周囲の緑の木々をどう描くかでした。緑の木々の形や色の違いをうまく表現しないと中央の黒っぽい五重塔だけが目立つ絵になります。主役が五重塔であるのは間違いないのですが、周りの木立にどうやって五重塔に負けないぐらいの存在感を持たせるか。実景をよく観察して、なるべくありのままの形と色で描くのが自分としては一番納得がいきます。その時、あまり細部にこだわらないで、木立はやはりマッスで描く。自分の絵の全体のリズムに合わせた描写が大事だと思いました。
 
約2時間で絵が出来ました。近くで農業をしている人を除いては周囲を歩く人は少なく、五重塔にじっくり向き合える貴重な時間でした。



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ウオーターフォード水彩紙 F4
青墨筆ペン
シュミンケ固形水彩絵の具
所要時間:2時間