わたしの水彩スケッチと読書の旅

どこまでも、のんびり思索の旅です

クスノキの 大木うねる 追手筋(おうてすじ) (高知県高知市 高知城追手門前)

2018年2月
 
2月とは言っても、南国土佐はさすがに暖かい。高知の最高気温は12℃。今日はグループ13人で高知城周辺のスケッチをしました。朝6時過ぎに岡山駅を出発するJR特急『南風』に乗り、また一部の人は高速バスで、9時40分頃に高知駅に着きました。仲間の人達と話をしていると片道2時間半はあっという間です。
 
高知駅から市内電車で、はりまや橋経由で高知城前へ。電車には高知駅から高知城近くの木曜市へ行く保育園児か幼稚園児と思われる子供たちの集団が先生に引率されて乗り込んできました。この子供たちも私たちと同じはりまや橋下車・乗り換えです。はりまや橋に着くと、電車の前入り口から子供たちは順序よく降りていきました。その後、十字路の信号のある横断歩道で大通りを渡るので、大丈夫かなと思って見ていると、何と電車の前の入口から出た子供たちは、また順序よく今降りたばかりの電車の後部入り口から電車の中に入っていきました。先生があわてて子供たちを誘導して、電車から降ろしていましたが、子供の考えることは面白いです。「乗り換える」という意味が分かってないので、そういう行動になるのでしょう。大人も子供も無事乗り換え電車に乗って、私たちは高知城前で下車しました。高知場内は今、しだれ梅が見頃です。
 
10時過ぎからスケッチ開始。午後1時まで約3時間です。昨年末に高知城を一度描いたので、今日は別の場所を選ぶために30分ほど歩きました。そして腰を落ち着けた場所が追手門前からみた追手筋。この地名の読み方は難しくて、つい「おいてすじ」と読んでしまうのですが、正しくは「おうてすじ」。いつも日曜市で賑わう大きな通りです。歩道にあるベンチに腰掛けてスケッチ開始。すぐ左手にある大きなクスノキを入れる構図にしました。

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集中してスケッチ下書きを1時間半。そして色塗りを1時間。クスノキの木肌や、遠景に見える街路樹、そして商店の並びや車など夢中で描くうちに集合時間の午後1時が来ました。集合場所の追手門前には、今朝高知に着いてから電話しておいた古い友人のMさんがわざわざ来てくれていました。Mさんは私の大学院時代の後輩で、今は地元高知で花屋さんをしています。Mさんの話では、高知は近い将来予想される南海トラフ地震津波への対策が大変だそうです。住民が現実に大地震や大きな津波が起きた時にどんな対応ができるのか不安で、今のままだと彼の住んでいる海岸沿いの町や住民はすぐに津波に飲み込まれてしまい、それをどうしょうも出来ない、と話していました。
 
Mさんや他の人達が見ている中で、出来上がった作品を並べて簡単な講評会をしました。今回もとてもいい絵が並びました。今回特に良かったのは、わざわざ遠方から時間をかけてこちらに来て絵を集中して描いた達成感というか満足感というか、そういう気持ちが皆の絵や顔の表情に現れていたことです。私の絵について言うと、画面左のスクの木のダイナミックな姿とバランスをとるために、画面の右側にどんな色や形を入れるか悩みました。右に見える商店のひさしの色を強めにし、たまたま置いてあった自転車や走っている車をやや強調して入れることで、全体のバランスを取りました。

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昼食は皆ですぐ近くのひろめ市場に行きました。自分の好きなものをそれぞれ注文して、市場の中央に並んだ沢山のテーブルの空いた席に座って食べます。私が注文したのはカツオのたたき定食。目の前でたたきを作っているので、とても美味しい。何とも言えない土佐の味です。

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昼食後、木曜市に寄って、お土産を買いました。土佐文旦は重たいので宅急便で自宅に送る手配をしました。それからまた午前中のスケッチの場所に戻って30分ほど絵の仕上げ。そして午後4時過ぎに高知を出るJRの特急列車で帰途に着きました。高知は暖かく、海の幸、山の幸がとても美味しい土地柄です。高知にいると地震津波がいつ来るのか、とても心配になります。この素晴らしい街を守るために、どこまで具体的な対策がたてられるのか。この地域、そして日本全体の課題です。

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アルシュ水彩紙 粗目 F10
青墨筆ペン
シュミンケ水彩絵の具
所要時間:3時間