わたしの水彩スケッチと読書の旅

どこまでも、のんびり思索の旅です

白過ぎず 白鷺(しらさぎ)の城 輝けり (兵庫県姫路市 姫路城)

2018年1月


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新年早々、姫路城にやってきました。姫路に来るのは久しぶりです。前に来た数年前は姫路城の大修理の時で、天守閣はすっぽりと工事用の囲いで覆われていて、外からは何も見えませんでした。今回JR姫路駅に降り立つと、駅も駅前も随分整備され、駅の正面から姫路城がとてもきれいに見えました。この駅前から見た姫路城でも十分絵になる構図です。


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駅前からまっすぐ北に伸びる広い大通りを歩いて姫路城方向へ。途中で大通りから曲がって人通りの多いみゆき通り商店街の中に入り、商店街の北の端にある「姫路城しらさぎの森アンテナショップ」に立ち寄りました。地元の美術愛好家の方がスケッチマップを作って無料で配布していることをインターネットで知り、是非姫路城のスケッチポイントについてアドバイスをいただきたいと思ったからです。
 
店に入って、スケッチマップのことを尋ねると、この店で世話をされている男性の方がとても気さくに分かりやすくスケッチポイントを教えて下さいました。それによると、おすすめは姫路城の正面よりも東側や北側(裏側)なんだそうです。それでこの方のアドバイスに従ってそのお城の東側と北側に行ってみました。確かに素晴らしい構図で姫路城が描けそうな場所が多くあります。


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スケッチする時に必須のトイレも姫路城の回りには沢山あります。さすがは国宝・世界遺産です。まずお城の北側にある黒川紀章設計の2億円トイレに行ってみました。うーん確かに立派なトイレ。

それからペットボトルの温かいお茶を買って、シロトピア記念公園のベンチに座って姫路城を裏側からスケッチしました。裏側にはお城の下に自然林が多く残っていて、冬で葉の落ちた林と城とを一緒に描くととてもよいのだそうです。確かに裏側は観光客の姿も少なく落ち着いてスケッチできます。ただ、お城が逆光になるのがこのポイントの欠点です。しかし、修復して白くなりすぎたと評判の白鷺城(修復直後は、白鷺城ではなく白過ぎ城と言われていました)が、逆光のお陰で白さを抑えた白鷺城にふさわしい色合いになるかもしれないと思って、今回は逆光の白鷺城に挑戦しました。


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今日は時間の関係で少し小さめの水彩紙に筆ペンでスケッチをして、着色は帰宅してから行いました。この日は空の雲の形がとてもきれいでダイナミックで、まさに「風雲姫路城」という感じでした。姫路城の回りには大きな建物が無いので空がとても広く感じられます。スケッチでも、この空の表情をどうするかが大事なポイントになると思います。


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スケッチを終えて、姫路城の正面に回ってみました。さすがに美しい!大きい!白い! 白過ぎ城、いや白鷺城。素晴らしいです。全国にお城は沢山ありますが、お城を描くなら、まずどっちにしても世界遺産の白鷺城は描かないわけにはいかないですね。


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姫路もお城を中心に街を急ピッチで整備しているのが分かります。外国人も気持ちよさそうに日本の名城を楽しんでいるようです。これで昔の古い城下の家並みが残っていたらどんなにか素晴らしいことでしょう。第二次大戦の空襲で姫路の街もひどく焼かれたのに、この姫路城は不思議なことに全く無傷で残ったのだそうです。米軍があえて爆弾を落とさなかったのではなく、たまたま偶然気が付かず見逃したのだとか。本当にラッキーだったと思います。戦争は貴重な文化遺産も市民の生活も何もかも全てを破壊します。日本の歴史的文化遺産第2次大戦でそのかなりのものが破壊されてしまいました。何としても戦争は避けなければならないですね。それと同時に、同じく第二次大戦で米軍の空襲で徹底的に破壊されたドイツの街が古い姿を見事に復活させている例もあるので、それにならって、先の戦争やその後の急速な経済発展のなかで消失したか、あるいは現在消えかかっている日本の古い町並みを、積極的に再生して将来に向けて保存することを、もっと真剣に考えていいのではないかと思います。




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モンバル・キャンソン水彩紙 中目 F4
青墨筆ペン
シュミンケ固形水彩絵の具
所要時間:線描き1時間+彩色1時間