わたしの水彩スケッチと読書の旅

どこまでも、のんびり思索の旅です

見開きで やっと収まる のっぽビル (大阪市阿倍野区 あべのハルカス 水彩スケッチ)

2016年6月

 
大阪に来ました。日本一高いビル、あべのハルカス近鉄アート館で開かれている白日会関西展と、同じくあべのハルカス美術館で開かれている「ピカソ 天才の秘密」展を見るためです。新大阪から地下鉄御堂筋線で約20分。天王寺下車。すぐ目の前に巨大なビルがそびえていました。

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まず、このビルを遠景から描きたいと思い、天王寺公園で適当な場所を探しました。大阪市立美術館の前の木立のところに丁度よい日陰があり、そこから眺めるあべのハルカスを描くことにしました。

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SMサイズの水彩紙を見開きにして地面に広げ約1時間。結構気持ちよくスケッチができました。今日は気温が上がり大阪の最高気温は32℃。湿度もあって長時間のスケッチは無理だと思い、小さなサイズにしました。途中絵を見てくれる人も3、4人あり、その中の一人に小学校12年ぐらいの男の子がいました。家族と一緒に通りかかって、しばらく絵を眺めた後、「素敵な絵ですね」とひと言。男の子からの意外な言葉に私は思わず苦笑い。大阪の子だったら大阪弁で、「おっちゃん、うまいわ」とか何とか言うのではないかと予想していたら、「素敵」というような大人の女性が使うような言葉でしかも標準語のコメントでびっくり。テレビでは最近大阪弁が減っているような気がしますが、地元の子供達の間でも大阪弁の力が落ちてきているのかなと思いました。

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スケッチを終えて、あべのハルカスの中に入って、まず16階の美術館へ。ピカソ展は入場料1500円。高くてちょっとためらいましたが、折角来たのだから、と思い切って入りました。日本の企業、美術館、個人蔵のピカソの絵を集めて展示しています。全体の印象としては、「それほど感動しなかった」というのが正直なところです。初期のデッサンを見ても特別天才的に上手いとは思えませんでした。ピカソは若い頃から膨大な数のデッサンやスケッチをしていたので有名ですが、多分その中のどれかが誰かの手に渡り、ピカソが名声を得た後に、発掘されたりしているのでしょう。ピカソは次々と画風を変えていっていますが、ピカソらしい絵はやはり後半の時代の絵でしょう。有名なピカソの大作がいくつか展示してあれば納得したかもしれませんが、今回の展示はちょっと期待はずれでした。


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あべのハルカスの12階のレストランで野菜カレーを食べた後、いよいよは白日会の展覧会へ。午後2時から白日会常任委員の池田良則さんのギャラリートークを聞きました。

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池田先生は以前に山口県の萩と静岡県の伊豆のスケッチ旅行でお世話になりました。作品をピックアップして解説していただき、大変よく分かりました。「風景画でも人物画でもそれは全て自分の自画像だ」という先生の言葉に妙に納得しました。確かに自分の描いたものに、自分の全てが現れます。

それにしても白日会というのは写真のような写実的女性像を得意とする画家が多いように思います。なぜ女性像なのか、なぜ若い奇麗な女性ばかり描くのか、ちょっと私には分からないところでした。プロの画家が自分の写実の技量を競っているところが目立って、もっと絵を通して何を伝えたいか分かる絵を描かれたららいいのにと、これはアマチュアの私の勝手な印象です。技術的にはとてもすばらしいのですが、何を言いたいのかよく分からない、そして特に女性をテーマにした絵はどの絵も写実的画風がよく似ていて、画家の個性が目立たない感じがしました。
 
時々こんな風にプロの人の仕事を見て、自分の絵の参考にするのは大事なことです。今日は勉強になりました。

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ラングトン水彩紙 中目 SMサイズ 見開き
ぺんてる筆ペンと鉛筆(2B)
ウインザー&ニュートン固形水彩絵の具
所要時間:1時間