わたしの水彩スケッチと読書の旅

どこまでも、のんびり思索の旅です

こんな本読んだことありますか? 「男のウンチク学」(古谷三敏著、講談社文庫)

2016年2月9日
 
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今日は夕食にチキンカレーを作りました。カレーを作る時に必ず頭に思い浮かぶのが、この本「男のウンチク学」です。漫画家の古谷三敏さん(79歳)がかなり前、昭和60年頃、に書いた、食べ物と飲み物についての「こだわり雑学百科」です。酒やワインについての話が多い中で、私が忘れられないのが、「カレーライス / タマネギに耐える者がカレーを制す」という文章です。早速、この文章の出だしの部分から引用してみます。

 
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「うまいカレーを食べたいと思ったら、あなたはまず、ビールを一本用意しなければならない。うまいカレーをつくる第一の条件は、スライスしたタマネギをいためることにあるのだから。タマネギを、おおよそ一時間もいためてごらんよ。なんのへんてつもないふつうのタマネギが、じつにふくよかな甘味をおびてくるのがわかるだろう。しかし、この一時間、あなたは正気でタマネギにとっくんでいられるものであろうか。だからこそ、ビールが必要になってくるのだ。すなわち、時おりビールをのどに流し込みながら、あなたはこの1時間に耐えなければならない。」

 

これを読んだ今から30年前、私は一人で台所に立ってカレーを作りながら、「ああそうなんだ」と妙に納得したものです。それ以来、この古谷さんの教えを守って、とても一時間は無理なのですが、なるべく気長になべでタマネギを炒めることにしています。たしかにこれでカレーの味が決まってくる気がします。

 

この本、あとはスパゲティの話やらうどんの食べ方の話やら、目玉焼きの話やらあって、当時は本当に影響を受け、それを今でも引きずっています。この本、現在でも売っているのかとアマゾンで調べてみたところ、なんと中古品1円!でした。こんないい本でも最後は1円とは、本の運命も何とも悲しいものですね。私も自費出版で本を出していますので、この本の値段を聞いて考えさせられました。しかし、私はこの本を死ぬまで絶対手放さないで何度でも読み返すと思います!



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