わたしの水彩スケッチと読書の旅

どこまでも、のんびり思索の旅です

まさか雪? この瀬戸内で 吹雪とは… ! (広島県尾道市 千光寺公園より尾道水道 水彩スケッチ)

201212



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バススケッチで尾道千光寺公園に来ました。今年の夏に訪れた猛暑の尾道と打って変わって、今日は初冬の尾道です。朝は時々晴れ間が見えましたが、千光寺公園に到着するころには、曇り空で、寒風が時折強く吹いていました。千光寺は市内からケーブルカーで上がった山の上にあり(今日はバスで上まで登りました)、その一帯は千光寺公園となり、そこから眺めると、尾道水道を挟んで手前に尾道の町が、向こうに向島が見えます。本州四国連絡道路の一つである「しまなみ海道」が尾道を起点に向島へ、そしてさらに先へ四国の今治まで走っているのもここからよく分かります。

 
私が経験で得た天気の悪い時の鉄則で、すぐに屋根つきの展望休憩所をさがして、まずそこで海の方向を眺めました。しかし吹きさらしの休憩所は風が強く、休憩所の屋根の下は狭いのでイーゼルを立てる場所がありません。仕方なく休憩所から少し離れた場所にイーゼルを立てて、尾道水道のスケッチを始めました。今日はとにかく寒さ対策が大事と思って、完全防備の冬山登山スタイルで来ました。その甲斐あって、寒風の吹く中、スケッチが順調に進みました。そのうち、「あれ?花びらかな?」と思うような白いものが空から降り始め、やがて強風に乗って雪が舞い始めました。空も冬の鉛色です。まさか、この温暖な瀬戸内地方で吹雪とは、と驚きましたが、雪がスケッチブックの画面に次々とくっつき始めます。そして、最後はイーゼルもスケッチブックも強風で吹っ飛ばされました。

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それで仕方なく再び屋根つき休憩所に移動して、そこでパレットを広げて彩色をしました。休憩所でも海から吹き上げる風が強くて、スケッチブックが何度も飛ばされ、最悪の状態です。パレットもちょっと手から放してそばに置いておくと、風に飛ばされて固形絵具が地面に飛び散りました。首に巻いたタオルも寒風で知らないうちに飛ばされています。しかしまあ、これがスケッチのいい所でしょうね。現場の状況が全て絵に表現されます。風が強くて手がかじかんで、筆ペンでまっすぐラインを引けず、おかげで屋根の線がぐにゃぐにゃです。これがいいですね。臨場感たっぷりです。「写真には頼らない」。「必ず現場で描く」。「現場で描いたら後で決して手を入れない」これが私のアマチュア精神で、今日はそれが試されます。

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ずいぶん気負ったアマチュアですが、寒風の中、今日は3時間の長い時間スケッチをしました。今日は自分で自分をほめてあげたいですね。誰もいない展望台でよく長時間頑張りました。冬の海は白く輝いてきれいでした。沢山の造船所の赤や緑のクレーンの見える町並みと、尾道水道の長く細い水路のような海は、尾道独特の風景ですね。そして葉を落とした木に混じって紅葉の木がところどころ見えます。向島の木にも紅葉が残っています。バススケッチは、全員体調を崩すこともなく、無事終わりました。最後にバスの中で皆さんの絵を見ての講評会。皆、寒い中それぞれに工夫をして絵を描き上げています。いつも全体のお世話をしてくださり絵の御批評をくださる先生や、バスの運転手・添乗員の方に感謝です。


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