わたしの水彩スケッチと読書の旅

どこまでも、のんびり思索の旅です

愛叫ぶ 世界の中心 大寒波 (香川県高松市庵治港 水彩スケッチ)

201312
 
バススケッチで香川県の庵治(あじ)港に来ました。ここは,「世界の中心で愛をさけぶ」という映画のロケ地だそうです。私は,映画を見ていないので,どういうストーリーか分からないのですが,古い町並と港の風景がロケに使われたようです。
この港町は,「さびしい田舎の漁村」という感じではなく,瀬戸内海の明るい光を浴びて,なにか伸び伸びとした雰囲気がありました。庵治は庵治石という良質の石の産地としても有名だそうです。

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しかし,今日は23日前から日本列島をすっぽり覆った大寒波の影響をうけて,ここ庵治港も風が強く,大変寒い一日でした。昼食を食べて午後からのスケッチとなったのですが,冬はやはりお昼を過ぎると次第に寒さが増してきます。まず港を30分ほど歩いてスケッチの場所を探しました。絵の中に,遠くに見える屋島を是非入れたいと思い,防波堤の先まで歩きました。風がとても強く,また寒くて,「ちょっとこれは長時間のスケッチは無理だ」,とは思いましたが,ちょうど防波堤がいくつも互い違いに伸びて,その向こうに屋島を含む山並みが見え,光に輝く瀬戸内海が見える場所を見つけ,そこにとりあえずイーゼルを立てました。



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風が強く吹きつけました。見開きのスケッチブックが飛ばされないように,左手のひじでスケッチブックを支え,そして,同時にパレットを同じ手で持って,右手に持った筆で描くというかなり厳しい状況でした。防波堤の上では,風を避けて一段下がった場所を選んだのですが,場所の幅が狭く,34歩下がると海に落ちそうなくらいだったので,気を遣いました。幸い時々日が射してくれて,冬の寒さが一時的に緩む時間もありました。講師の先生がバスの中で言われた通り,パレットの絵具の表面をあらかじめきれいな水を含んだ筆でさらっと撫でて,絵具を柔らかくしておいたのですが,強風でパレットの絵具がすぐに乾燥します。寒風の力はすごいです。

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今日は,寒波に備えて,登山用の服装に携帯カイロをもって,マフラー,ニット帽,手袋と,ほぼ完ぺきな服装できました。そのおかげで,寒風が吹く防波堤の上でも,最初の1時間は寒さをそれほど感じませんでした。しかし,そのうち,「おっと,これはやばいかもしれない」,と思わせる寒さが次第に体全体にやってきました。大慌てで,スケッチブック画面に描いた冬の海と漁船に色をつけて,さあ退却です。結局1時間半,何とかスケッチできました。今日は寒くて,目から涙が出ました。泣きながら?スケッチしたのは,初めてですね。
それにしても,強い寒風の中,我ながらよく頑張りました。

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道具を大急ぎでしまって,港のそばの観光交流館に行きました。そこには映画のロケセットの「写真館」を復元した建物があり,その中でカフェが営業していました。そのカフェの二階に上がり,熱いコーヒーと庵治サンドをいただき,ほっとしました。カフェでは,今回初めてバススケッチに参加された男性と同席し,スケッチを見せ合って,20分ほど楽しい会話の時間を過ごしました。そのあと,交流館で館長の若い女性の方から交流館のことをいろいろとうかがいました。交流館は古い米蔵を改造したどっしりとした立派なつくりです。写真や絵画の展示スペースがあり,高松市と連携してその有効利用をいろいろ工夫なさっているとのお話でした。1か月無料でかなり広い展示スペースを貸して下さると聞いて驚きました。都会では考えられないことですね。



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今日はスケッチ参加者が少なく,バスは中型バスでしたが,女性運転手さんも添乗員さんも丁寧でやさしい方でアットホームな雰囲気でした。この港にはまた暖かい時期にいつかスケッチに来たいと思います。



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