わたしの水彩スケッチと読書の旅

どこまでも、のんびり思索の旅です

貞光の 「うだつ」珍らし 阿波の道 (徳島県美馬郡つるぎ町貞光 二重うだつの町並み 水彩スケッチ)

201212月(201112月の風景スケッチより)



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バススケッチで徳島県の貞光に来ました。徳島自動車道の美馬インターから剣(つるぎ)山方向に南下してすぐのところに貞光の町があります。JR貞光駅からもアクセスできます。貞光は江戸中期以降に商業と交通の要所として栄えました。昔の商家が軒を並べ、各家と家の境界に防火用に作られた土つくりの「二重うだつ」が有名です。「うだつが上がる」とか「うだつが上がらない」とか、よく日常用語で使いますが、「うだつが上がる」、つまり家に「うだつ」を設けるには相当の資金が必要で、「うだつ」はその家の豊かさの象徴だったようです。従って、羽振りのよさを示したい各商家は、手の込んだ、いわば芸術的な「うだつ」を競って設けました。


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今回はそのうだつの町並みスケッチです。通りの両側に本当にすばらしい二重うだつの家がずっと並んでいます。このうだつを一つ描くだけでも価値があります。明るい冬の日。晴天ですが、気温が低く、かなり冷え冷えとしていました。南国阿波といっても、さすがに12月は寒いです。かなり長い通りをうろうろ歩いて、しばらく行ったところに広い未舗装の駐車スペースがあったので、そこから見える商家をスケッチしました。イーゼルを立てて、F6スケッチブックを見開きにして描きます。私の近くにも34人同じ商家を描く人が座ってスケッチブックを開いています。時折雑談しながら、そして途中で買った土産物のせんべいを分けてあげて、一緒にかじりながらのスケッチです。知らない土地でのスケッチの楽しみは、その土地の土産物を買って(決まって甘いのもですが)それを口にしながらスケッチすることです。徳島では鳴門金時(有名なさつまいも)を使ったお菓子が沢山売られていて、さつまいもが大好きな私は、つい誘惑に負けていろいろと買いこんでしまいそうになりました。


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今回は寒さが身にしむスケッチとなりました。しかし、スケッチの途中で、この寒さを心配した町内の方(女性)が、スケッチをしている私たちひとりひとりに「どんと」(あったかカイロ)を配ってくださいました。何という親切な人。やはりお遍路さんへのお接待の精神なんでしょうね。本当に阿波の人は親切です。商売で商家の前に車を止めた人も、「ちょっと待って!今すぐどけるから!」と本当に親切です。

 

今回私が描いた絵、屋根の線がまっすぐになってしまいました。ちょっと遠近法的に失敗なのですが、ゆるしてもらいましょう。筆ペンで線描しているので、あとで気がついても修正が効かないのです。自分の目の高さが絵の中でどこにあるか意識すること、それと、遠近法をきちんと意識しないとだめだ、と今回分かりました。それでも、堂々とした商家の感じは描けたのではないかと思います。徳島にはいつかゆっくりお遍路で来てみたいと思っています。四国八十八カ所を巡りながらスケッチをしたらどんなにか素晴らしいことでしょう。いろいろな人と出会い、語らいながら歩き、スケッチする。これが私の夢です。


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