瀬戸内の歴史あふれる港町 鞆の浦 水彩スケッチ (広島県福山市)
2012年9月
JR福山駅前で、鞆港行きバスに乗って約30分、鞆の浦で降りるのか、終点の鞆港まで行くのか、ちょっと迷いましたが、他の乗客につられて鞆の浦で下車。バスが古く、道路の舗装状態も悪くて、決して快適とは言えない乗り心地なのに、運賃510円はやや高い。ここに来てみると分かりますが、道路の幅が昔のままなので(これはいいことです)、車がすれ違いできないぐらい狭く、また、町の中に駐車スペースがほとんどありません。止む無くバス利用となるわけで、バスの運賃が高いと思っても、観光客にとっては、これしか他に「足」がない、という訳です。帰りのバスは比較的新しいバスでした。
対潮楼・福禅寺から見える海の風景
バスを降りると、すぐ目の前に静かな瀬戸内海と小さな島々が広がります。海岸沿いの道を少し歩いて、10分ほどで最初の目的地である「対潮楼・福禅寺」に着きます。ここは昔、朝鮮通信使が宿泊した場所です。彼らが、この場所の風景を「日本で一番美しい景観」、と誉めたとか。確かに素晴らしい海の眺めです。戸が全部開け放たれているので、広い部屋の中を海風が心地よく吹き渡ります。江戸時代は、ここが使節のための迎賓館になっていました。福禅寺は平安時代に創建された真言宗の寺院です。受付の人は、対潮楼だけでなく、隣接する本堂の観音様も拝んでいってほしい様子でしたが、ほとんどの人は対潮楼だけ見ておしまい。私は、観音像に少し関心があるので、ゆっくりお姿を拝見しました。
お腹がふくらんだ後、再度、町を散策。スケッチの場所を探します。もう一カ所描きたかったのが、港の近くの「保命酒」の酒蔵。しかし、天気のこともあり、それを描くのを早々と断念。
今日は、有名な観光地での通りすぎる人の多さに気後れし、やや集中力を欠いた「小心な自分」が出てしまいました。素人なので、人がいるところではなかなかスケッチブックを開けない。本当は、スケッチをしていても、ほとんどの人はわざわざ見に来たりしないんですけどね。