わたしの水彩スケッチと読書の旅

どこまでも、のんびり思索の旅です

35℃を超える猛烈な暑さの中、熱中症を気にしながらスケッチに熱中 (日本の名水100選 播磨・千種川と坂越の古い町並み・兵庫県)

20127

 

日本中が猛烈な暑さに見舞われている中、無謀にも野外スケッチに出かけました。今日は、兵庫県播州赤穂の郊外にある坂越(さごし)を流れる千種川と江戸時代に赤穂の塩の積出港として栄えた坂越の町並みスケッチです。JR坂越駅に降り立つと、朝からとんでもない暑さ。駅から5分ほどで、日本の名水100選に選ばれた千種川に差しかかります。橋を渡りながら眺める川はゆったりと流れ、周りの山々と大変うまく調和して、のどかな風景を作り出しています。ここは期待通りです。周辺の地域はこの水を水道水に使っているのでしょうが、名水をいつも飲めるというのは都会では考えられない幸せですね。



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川の土手に小さな公園があり、木陰があったので、そこで千種川をスケッチしました。遠くの山がかすんでいます。木陰は程よい風が通って快適でした。

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 スケッチを終えて、坂越の町を目指して歩き始めました。町はきれいに昔の姿が保存されていて、石畳の道もきれいです。しかし、さすがにこの暑さでは観光客はわずかでした。町に一軒しかないカフェで昼食を食べました。ビーフカレーとサラダが良い味でした。カフェと手作りの衣料店やガラス食器を売る店を兼ねていて、最近開店したばかりとのことでしたが、なかなかよい雰囲気でした。


 
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町の通りで一段と目立つ建築物は慶長年間から400年の歴史をきざむ造り酒屋で見事なものです。そのほかにも、町にはいくつか見どころがありますが、その一つである旧坂越浦会所をゆっくり訪れました。ここは行政や商業の事務をとるための村会所として天保2(1831)に建てられたそうです。中は風が通って大変涼しく、2階の藩主専用(時々訪れたそうです)の寝室(ちょっと一段下がって天井が低い)には、なぜか畳の上に枕が仲良く2つ並べてあって、笑ってしまいました。案内の奥さんが「好きなだけ座って、お茶を飲んでゆっくりしていってください」、「こっちが風が通って涼しいですよ」と、冷えたお茶を出しながら、庭の見える縁側に案内して下さいました。この町の資料館や名所旧跡はすべて入場無料のようです。



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 しばらく、そこで休んでから、外にでて、少し午後の日陰が出来た通りの向こう側から、この旧坂越浦会所をスケッチしました。しかし、日陰とは言ってもさすがに真夏の太陽で、じりじりと肌が焼けます。スケッチ用紙の「白」が目に反射して、次第に目の奥が痛くなります。透明のサングラスをしてきましたが、それも及ばないほどの紫外線の強さです。次第にスケッチをしている腕も真っ赤に焼けてきました。

今回のスケッチを終えての反省点。「真夏にはスケッチするな。目を傷めてしまう。」目がやられたらスケッチできないですよね。こんなの当り前だとプロの人に叱られそうですが。

 

赤穂の塩田の塩の積み出しでにぎわった町も、かつてのにぎわいは消えて、町並みだけがひっそりとたたずんでいました。それでも春や秋には観光客やスケッチをする人が沢山訪れるそうです。「こんないい所なんだから、地元でももっといろいろ宣伝したらいいのに」、と思いながら、JRの駅に向かいました。

ここは、あまり世間に知られていない穴場です。