わたしの水彩スケッチと読書の旅

知の冒険? いえいえ、のんびり思索の旅です

ついてない こんな人見たら 助けよう (岡山県瀬戸内市長船町福岡 水彩スケッチ)

2019年12月28日

 

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朝8時過ぎに岡山駅の電車ホームに行くと、ちょうど入ってきた電車に乗り込もうとしているスケッチグループのKさん発見。「Kさん、これ違うよ!」とあわてて声をかけました。Kさんが乗ろうとしていたのは山陽線の電車。今日乗るのは赤穂線山陽線赤穂線のホームが同じで、途中の東岡山駅まで両線の電車が同じ線路を走るので間違えやすい。Kさんは80歳の後期高齢者。足が不自由で杖をつきながら歩行されています。熱心なスケッチ会参加者ですが、体調が良くない時があるので、気をつけてあげなければなりません。

 

Kさんはかつて岡山県内のJR全駅をスケッチして回ったそうです。それで鉄道にはかなり詳しいです。「赤穂線の駅は名前が難しいけえ、これを全部読める人はおらんじゃろう」。なるほど、そうですね。邑久(おく)、長船(おさふね)、香登(かがと)、伊部(いんべ)、日生(ひなせ)、寒河(そうご)。赤穂(あこう)は有名だから読めるけど、赤穂の次の坂越(さごし)は読めるかな? 地域の地名はかくも個性的で面白い。

 

こんな話をしているうちに長船駅に着きました。集合時間の9時半まで駅前で待機。今日は暖かい良い天気です。Kさんの足を考えて今朝はタクシーで福岡の町まで行くつもりでしたが、運良く他の仲間の人が車で長船駅前に来たのでそれに乗せてもらいました。

 

福岡の仲崎邸横の広い駐車場にはもう仲間の人が数人到着していてスケッチの準備を始めていました。ここ瀬戸内市では国宝で個人蔵の備前刀の名刀「山鳥毛(さんちょうもう)」を買い取って備前長船刀剣博物館に収めようという全市あげての運動が行われており、6億円の資金を調達するために一般からの寄付を募っています。その「山鳥毛」と書かれたノボリがあちこちに立っているので、スケッチ仲間の若い人が「駐車場広場で焼き鳥でもするのかと思った」と言って皆を笑わせました。私も笑いましたが、人のことを笑っておられません。この「山鳥毛」を「さんちょうもう」と読むのか「やまとりげ」と読むのかよく知らなかったからです。いつも自信なく「さんちょうもう」と読んでいました。ネットで調べると、読み方には諸説あり、どちらでもいいようです。ある記事では鎌倉時代福岡一文字派の名刀「やまとりげ」と紹介されています。

 

さて、スケッチは仲崎邸の裏に回って、隣家の庭の植木を入れた仲崎亭の全景に挑みました。明治末期から大正にかけて作られた家で登録有形文化財。10号の水彩紙を持ってきましたがこれに収まらないぐらい大きな邸宅です。地元の大地主だったようです。2時間半でスケッチ。冬の景色なので、なるべく色を沢山使わないでシンプルにまとめようと努力しました。冬は晴天の日のスケッチがいいです。太陽があたりを明るく暖かく照らし、物の影が長く伸びて、明暗の対照がきれいです。

 

集合時間の午後1時が来て、全員の絵を並べて講評会をしました。Kさんは体調がよかったようで小さなスケッチを4枚も前に並べていました。しかし、そのうち急に風が吹いて4枚のスケッチが軽いので次々と風に飛ばされ、そのうちの1枚が近くの用水路にドボン。絵の仲間が慌てて拾い上げましたがすでにスブ濡れ。これがKさん最初の受難。その後皆で食べに行ったうどん店で、セルフでうどんを運んでいたKさんが誤ってうどんを床に落としてしまいました(私は目撃しなかったのですが)。新たに注文しなおすことになり、結局2食分の支払いに。これがKさん第2の受難。そして第3の受難は帰りのJR電車で、Kさんの持っていた杖が前の座席に挟まり取れなくなったこと。幸い電車が岡山終点だったので、皆が降りてから座席を動かして杖は無事取れました。

 

今日もいろいろありました。グループで行くと、皆さんのお世話もあるのでそれなりのトラブルもあり、普段以上に気をもむこともありますが、それがまた楽しい思い出になります。

 

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モンバル・キャンソン水彩紙 中目 F10

青墨筆ペン

シュミンケ固形水彩絵の具

所要時間:2時間30分