犬ふぐり
2023年3月4日
「犬ふぐり陽の熱量をもっともっと」
今朝の散歩道は冷えて霜が降りていました。いつもより足を伸ばして田んぼの中の農道を歩きました。三月に入ってあたたかい日が増えてきましたが、今日のように朝晩はまだまだ気温が低めです。農道脇の雑草もオオイヌノフグリやホトケノザなど、いずれも霜で真っ白になっていました。しかしこの寒さでもしっかり花を咲かせるのがさすがに雑草です。耐寒性が相当強そうです。耐寒性が強い植物の細胞には独特の特徴があることが分かっています。低温でも細胞の膜などに細胞機能が低下しない仕組みがあります。
さて、今日の季語は「犬ふぐり」。早春の季語です。『新版今はじめる人のための俳句歳時記』(角川ソフイア文庫)で「犬ふぐり」を見てみました。
「ゴマノハグサ科に属する二年草。果実の形が似ているというのでつけられた名前がいささか哀れだが、愛らしい花である。日本自生の淡紅色のものと、ヨーロッパ原産の青い大犬ふぐりがあり、いまでは後者が圧倒的に多い。」
「犬ふぐり」を季語にした句を一つ。
「いぬふぐり星のまたたく如くなり」 高浜虚子
高浜虚子の有名な句です。この句が有名すぎてちょっと「犬ふぐり」を季語にしては詠めないという感じもあります。詠もうとするとこの句が頭に浮かぶからです。それぐらい犬ふぐりをピッタリ言い当てた句と言えるでしょう。