霞立つ
2023年2月11日
「これがあのいつもの木々や霞立つ」
朝から暖かさの予感。春霞です。散歩道で辺り一面が霞んで幻想的な風景。いつもと同じ風景がずいぶん変わって見えました。今日の霞はすぐに消えてしまい、早起きした者にだけ与えられる恩恵でした。
昼間は予想通り暖かくなりました。午前中はのんびり以前に描いた絵の直し。このところ筆ペンで線描きをする自分本来の絵の描き方をやめていましたが(線が強すぎるので)、もし筆ペンの線が強すぎて嫌なら、その線に負けないぐらい強く彩色すればいいとふと気がつきました。それと、これまで現場で3時間のスケッチで仕上げることを当たり前としてきましたが、別にそれにこだわらなくてもいいという気分になりました。体力が落ちてくると3時間では仕上がらないケースが増えてきます。後からゆっくり考えながら手を加える楽しさにも最近気が付きました。
今日の季語は「霞」。『新版今はじめる人のための俳句歳時記』(角川ソフイア文庫)で「霞」を見てみました。
「霧・靄(もや)などの微細な水滴が空中に浮かぶ現象。文学では春の日中のものを霞、春の夜間のものを朧(おぼろ)、秋のものを霧と呼ぶ。山などにたなびくきりぐもと、四囲の景色を朦朧とうちけぶらす霞がある。」
「霞」を季語にした句を一つ。
「春なれや名もなき山の薄霞」 芭蕉
芭蕉が貞享2年(1685年)42歳の時に作った句で「野ざらし紀行」に収められているとネットの記事にありました。芭蕉と同じような感覚・心境で今日の句を詠めたことに自分ながら感動しています。