わたしの水彩スケッチと読書の旅

どこまでも、のんびり思索の旅です

山眠る

2023年1月19日

 

「空覆う厚き雲あり山眠る」

 

今日の季語は「山眠る」。『新版 今はじめる人のための俳句歳時記』(角川ソフイア文庫)で「山眠る」を見てみました。

 

「冬山の形容。郭煕(かっき)の語『冬山惨淡として眠るが如し』に基づく。惨淡とは痛ましく悲しい意味から転じて、様々に心を悩ます様子。従って、本義は疲れて眠りに入った暗い感じであるが、今ではゆったり眠っている意味に広げて使われている。」

 

「山眠る」を季語にした句を一つ。

 

「山眠る岡山兵庫国境」   吉屋信子

 

これは現代では山陽新幹線に乗ってこの辺りを通過したことのある人はよくわかると思います。山陽新幹線はトンネルが多いのですが、新神戸から姫路を過ぎて岡山県に近づくと急に山や谷の中に分け入った感じになります。初めて日本に来た外国人旅行者がよくそんな印象を話してくれます。まさに山眠るという感じがぴったり。この大きな山塊が関西圏と山陽地方を文化的に隔てる壁になっています。方言もここを境にがらっと変わります。

 

 

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