秋の灯
2022年9月4日
「秋の灯や乗る人の無き路線バス」
今日の季語は「秋の灯」。『今はじめる人のための俳句歳時記』(角川ソフィア文庫)で「秋の灯」を見た。
「明るく、どことなく華やいだ感じのする春の燈と違って、『秋の灯』はこころもち暗く人をしみじみとした思いに誘う。」
9月になって日暮れが早くなった。朝晩が涼しいのは助かるが、秋の寂しさも感じる。新型コロナの影響もあって、路線バスの乗客が少ない。岡山市は何度か1日バス無料の日を設定してバスの利用促進を図っているが、コロナがもう少し落ち着かないと安心して公共交通機関を使う気分にならない。しかしそれにしても動きのとれない時代になったものだ。
「秋の灯」を季語とする句を3つ。
「秋燈や学期はじめの寮の窓」 秋桜子
「秋の燈や机に開く厚き辞書」 樋口明子
「秋の燈やゆかしき奈良の道具市」 蕪村
第1句。水原秋桜子。学期はじめの寮の窓から見える電灯の光が印象的だ。情景がはっきりと見える。第2句。秋の燈は学問と結びつきやすいのか。これもくっきりイメージしやすい句。第3句。与謝蕪村。奈良の夜の道具市。雰囲気が秋の燈でしっかり感じられる。
今日は静物スケッチをした。ワインの瓶、二十世紀梨、そしてキュウリだ。
今日のスケッチ
アルシュ水彩紙 荒目 SM
鉛筆とホルベイン水彩絵の具