梨
2022年8月31日
「秋梨やもう死んでもと思う朝」
今日の季語は「梨」。今日の句は、このまま死んでもいいと思うぐらいおいしい梨を今朝食べたという句。もう死にたいと思っているわけではないのでご安心を。私が育った鳥取県は二十世紀梨の産地。子供の頃から食べてきたこの味が忘れられない。たまたま買った二十世紀梨がとてもおいしくて感動した。ちょうど今が出荷の最盛期だ。『今はじめる人のための俳句歳時記』(角川ソフィア文庫)で「梨」を見た。
「日本梨と洋梨があるが、ふつうはなしといえば日本梨のことであり、古くは長十郎、二十世紀梨などの品種が好まれたが、最近は両者の味わいをあわせもつ、歯ごたえがあってしかも水分の多いものが出回っている。」
「梨」が季語の句を3句。
「梨食うてすっぱき芯にいたりけり」 辻 桃子
「この梨の二十世紀の残り食う」 須原和男
「訃報聞く梨の皮剥く音のなか」 高澤良一
第1句。そうそう、梨は芯が酸っぱくないとおいしくない。ただ甘いだけではだめ。二十世紀梨は芯が酸っぱい。第2句。二十世紀を何とか詠もうとして苦労するのだが、この句はそれを見事にやっている。第3句。今日は旧ソ連のゴルバチョフ書記長の訃報。それと京セラの創始者稲盛和夫さんの訃報。偉大な仕事をした人たちだ。
今日は二十世紀梨をスケッチした。もっと淡彩であっさり塗らないといけないと反省。
今日のスケッチ
ホワイトワトソン水彩紙 SM
ホルベイン水彩絵の具