わたしの水彩スケッチと読書の旅

どこまでも、のんびり思索の旅です

寒空

「寒空や日暮れの部屋に灯もつけず」

 

今日の季語は「寒空」。今日は今年一番の寒さ。日本列島の日本海側では大雪です。日が暮れるのが早いので、ぼんやりと窓越しに外を眺めているといつの間にか日暮れの時間になってしまいます。

 

この季節の夕暮れは何となく寂しい。過ぎ去った過去のことをいろいろと思い出したりします。もう思い出してもどうにもならないようなことが頭をよぎります。特にその時間に来年の年賀状を書いたりしていると、1枚書くごとにその宛先の相手のこと、その人の昔の出来事や昔の情景を思いだすことになります。どうも最近はそういうのが苦手になってきました。

 

それで来年の年賀状には「高齢だから」という理由で「本年で年賀状をやめにします」というメッセージを添えることにしました。ある意味「終活」ですね。

 

さて、「寒空」を季語にした句を探しました。

 

「寒空へ枝強く張る鬼くるみ」     菊井稔子

「寒空に乾ききったる鳶(トビ)の声」  稲畑廣太郎

 

どちらの句も自然の描写句です。上は植物、下は動物。どちらも寒空という季語を描写の背景にして、大きく枝を張ったオニグルミの木と空を飛ぶトビにそれぞれ焦点を当てて詠んでいます。冬の時期には他の季節にはない独特の風景が目に写ります。それを詠むのも楽しみです。