わたしの水彩スケッチと読書の旅

どこまでも、のんびり思索の旅です

木枯(こがらし)

2022年12月3日

 

「木枯や採血室の人の列」

 

今日の季語は「木枯」。だいぶ冬めいてきました。昨日行った病院では血液検査を受けました。年に1回の定期検査です。この地域の基幹病院のひとつなので、採血室も20人ぐらいのスタッフが採血にあたっていました。待合室の沢山の長椅子も人でいっぱいです。もう見慣れた風景ですが、師走なので一層あわただしい感じがしました。

 

『今はじめる人のための俳句歳時記』(角川ソフィア文庫)で「木枯・凩」を見てみました。

 

「晩秋から初冬にかけて季節風の吹きはじめの冷たく強い風で、木の葉を落とし枯れ木としてしまう風の意味。古くは和歌では秋の風としても詠まれた。なお北国では雨を伴うこともある。」

 

「木枯」を季語にした句を一つ。

 

「海に出て木枯帰るところなし」    山口誓子

 

確かに木枯というと、街や町、村や里山で吹く寒風のイメージで、海に出ると木枯という言葉を使いません。普通の北風になってしまいます。木枯は山から吹いてくる山風です。海風は木枯とは言わないように思います。新たな気付きをくれる句です。